H-IIAロケット18号機打上を福岡から撮影
H-IIAロケット18号機(準天頂衛星「みちびき」)の打上を、福岡から撮影に挑戦しました。
まずは下調べ。
以前、7号機(ひまわり6号)打上を九州南端の佐多岬付近から見たときの経験から、遠方からでもよく見えるのはSRB-A(固体燃料ブースター)がオレンジの炎を出して燃焼している、打上直後まで。メインエンジン燃焼の光は淡いのでよく見えません。
→YouTubeに公開した動画
このときは日没直後の打上で条件がよく、地上は暗いけどロケットには陽があたっていたので、SRB-A分離後の1段目ロケットの飛行も、太平洋岸を中心にかなり遠方から目撃されています。各地の目撃報告をまとめた記事を書きました。
→「H-IIAの飛行はどこまで見られたか」2005年3月2日
SRB-A燃焼部分がどの方位・仰角に見えるか、今回の打上の公開情報「平成22年度夏期ロケット打上げ計画書(PDF)」に掲載された飛行シーケンスで計算すべきですが、ちょっと時間がなかったので、ほぼ同じ経路だった11号機(きく8号)打上のとき、鹿児島・福岡・大阪・東京からの見え方を計算したものを参考にしました。
→「H-IIA 11号機の見えかた予測だぞぅ」2006年12月4日
福岡から南南西の仰角8度くらい。自宅から南にある山よりは上に現れそうです。
大阪からは南西の仰角3度くらい、東京からは南西の水平線下ですが、その後の第1段の軌跡が見えれば福岡より高くなるはずです。
また、ロケッこさんがGoogleEarthを使って、各地からの見え方を予想した画像も参考になります。
→ロケッこがゆく「打ち上げ1週前」2010年9月3日
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さて、20時17分の打上に先立ち、南向きのベランダにビデオカメラと、デジタル一眼レフをセットし、ネットでの中継を見ながら待ちます。ネットの中継は数十秒遅れていることがあるので注意します。方位角がよく分からないので、広角でおおまかに南南東に向けます。打上少し前からビデオは撮影開始。
そして打上。南の低空に目を凝らす。・・・しばらくして、自宅から南にある背振山~雷山の稜線に、上昇する光が見えました!
(クリックで拡大)
あいにく、ちょうど鉄塔と重なって見苦しい写真になってしまいました。このSRB-Aの明るい光は5秒ほどで見えなくなってしまいました。
その後は肉眼ではもう見えなかったのですが、もう1コマ撮影したものを画像強調してみたら、第1段ロケットの白く淡い光跡と、分離した2個のSRB-Aの赤い光が写っていました。
(クリックで拡大。さらに「View full size」にしてみてください)
ビデオでも撮影できました。でもあまり期待しないでください。
一眼レフのほうをメインにしていたうえ、どこから上ってくるか予想できなかったので、ビデオは広角・固定で放置していました。高感度モード(スロー露出)なので、動きもカクカクです。場面の右下のほう、鉄塔の向こうに見え隠れしながら、SRB-Aの光が動いてゆきます。
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コメント
現在、東京へ戻る途中のrockeccoです。
福岡からでも、きれいに映っていますね。
種からは地平線スレスレまで見えたそうです。
私のところは崖に消えて行きましたが・・・
しばらく種にいけないので、
これを見て遠方(関東)からの撮影を頑張ってみようかと思いました。
投稿: rockecco | 2010年9月15日 (水曜日) 13:19
ブログの種子島旅行記、読ませてもらっています。
打ち上げは好条件で見られて良かったですね。
帰路はご当地ソフトクリーム三昧・・・
本土からの観測、今回は愛媛のニュースまでしか見つけられませんでした。条件が良ければ関東からでも見えるはずです。挑戦してみてください。
投稿: ごんざぶろう | 2010年9月15日 (水曜日) 16:01
帰りはソフトクリーム三昧でしたね

健康診断前でメダボン宣言されちゃう
東京ではしたがかすんでいたそうで、当日は見られそうになかった様子でした。
確かに当日の衛星画像を見ると大阪から東は雲が出ている感じでした。
さてさて、ようやく動画を編集しましたので、どうぞ。
投稿: rockecco | 2010年9月20日 (月曜日) 08:31