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2009年3月27日 (金曜日)

デブリ飛来方向分布(訂正)

IridiumとCosmosの衝突について、学生への説明や、ネットへの投稿で、「極軌道衛星では、南北両極の上空での正面衝突が多く、側面衝突は珍しい。」と説明してきました。
野尻ボードへの投稿(2009年02月16日)

これは以前、デブリ環境モデルMASTERで分析した経験から述べたものでした。

デブリ飛来方向分布(2004年9月22日)
2nd Impact, 3rd Impact(2005年4月27日)

ところが最近、MASTERのマニュアルを読み直して再分析してみたら、ちょっと様相が違うことがわかりました。以下は、MASTER-2005を使い、2009年2月10日のデブリ環境において、Iridium 33に対する、10cm以上の物体のフラックス(通過頻度)を計算してみた結果です。Iridium以外でも低高度極軌道衛星なら、似たような結果です。グラフはクリックで拡大表示されます。

Iridium_atl
図1 緯度引数に対するフラックス変化
(横軸0度が赤道上の昇交点,90度が北極,180度が降交点,270度が南極)

Iridium_azi
図2 飛来方向の分布

これらを見て、
・南北両極の上空で衝突が多い
・正面衝突が多い
この2つはそれぞれ正しかったのですが、単純に結びつけて「南北両極の上空での正面衝突が多い」ではなかったのです。衝突方向分布は軌道上の場所によって大きく変化していました。極上空では実は正面衝突は少なく、側面衝突が多かったのです。相対速度では斜め前方からの入射となります。今回のIridium対Cosmosが、このケースでした。一方、極以外の上空では正面衝突が多く、軌道一周を合計すると、正面衝突のほうが支配的となる。それが真相でした。相関を濃淡図にすると、こんな感じ。

Iridium_atlazi
図3 緯度引数(縦軸)と飛来方向(横軸)の分布

これを横軸に投影すると図1に、縦軸に投影すると図2になります。図3の横軸90度と270度で縦軸0度のあたり、両極上空で正面衝突が減っている小さい黒い領域があるのを、図1と図2から発見できなかったのです。MASTERのマニュアルで、付属シナリオのEnviSatの解析例を読んでみたら、先述の自分の見解と違ったので、この誤解に気が付きました。さらに3Dプロットのオプションで濃淡図があることを知って、図3が出せませた。やっぱり説明書って大事。

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