嫦娥一号の想像図の怪
中国の月探査機「嫦娥一号」の打上が成功しました。
奇妙なことに、日本の月探査機LUNAR-Aの想像図が、中国の嫦娥一号として掲載されているページをしばしば見かけます。どうも2006年頃の中国のサイトに多いようです。個人ブログもありますが、新華社のような大手のニュースページにまで。日本の宇宙開発をライバル視しているはずの中国にとって、恥ずかしいミスだし、嫦娥の開発者たちに対して失礼です。
- http://www.cnsa.gov.cn/n615709/n772514/n772543/index.html (中国国家航天局 おいおい!ミスと言うより画像のパクり)
- http://tech.163.com/07/0109/15/34DFI0TL00091537.html
- http://tech.qq.com/zt/2006/change/index.htm
- http://news.tom.com/2006-10-06/000N/42420204.html
- http://www.fubusi.com/2006/6-1/140350746.html
- http://2006.chinataiwan.org/web/webportal/W4697494/Uyyping/A217034.html
- (新華社)http://www.ha.xinhuanet.com/fuwu/kejiao/2006-07/10/content_7469886.htm
- http://news.xmnext.com/domestic/shizheng/2007/01/02/122213.html
- (新華社)http://news.xinhuanet.com/english/2007-05/20/content_6127181_1.htm
- http://www.satnews.com/stories2007/4588/
- http://wwwchina630.blog.china.com/200710/1133554.html
- (朝鮮日報)http://www.chosunonline.com/article/20071023000026
- (広州科学普及ネット)http://kepu.gzkj.gov.cn/d17558.aspx
本物のLUNAR-Aのページはこちら
→http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/lunar-a/
察するに、嫦娥一号の外観図が公表されていない頃、たまたま誰かが間違えてLUNAR-Aの画像を引用し、それが一人歩きして広まってしまったのではないでしょうか。その状態では「嫦娥一号」で画像を検索すると、誤りのLUNAR-Aの方が出てくるわけですから。
2006年頃の記事に多く、最近は少なくなったものの、上記リスト最後の朝鮮日報(chosunonline)や中国の某役所(gov.cn)は昨日の記事です。
----- 追記
この件、はやぶさまとめニュース(2006/12/29)や、大木社長のブログ(2007/1/16)でも既出でした。
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コメント
Wikipediaの人工衛星の軌道要素
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E8%A1%9B%E6%98%9F%E3%81%AE%E8%BB%8C%E9%81%93%E8%A6%81%E7%B4%A0
で、近点角の図
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Orbital-element2.png
と説明が間違っているのですが、アマチュアの電波/通信関係のページでは同じ間違いをしているものがたくさんあります。
平均近点角がこんなのだったら、真近点角が時間の陰関数で苦労しなくて済むのですけどね。
投稿: おーの | 2007年10月26日 (金曜日) 21:58
そしたら、おーのさんがWikipediaを加筆されては?
・・・そんな暇人じゃ無いですね。
私は誤字退治ていどですが、見つけたら修正しまくっています。「シュミレーション」とか「緒元」とか「冶具」とか「デヴュー」とか。
投稿: ごんざぶろう | 2007年10月31日 (水曜日) 23:34