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2007年2月の12件の記事

2007年2月28日 (水曜日)

SELENE

セレーネ「月に願いを!」キャンペーンに、締切最終日に登録しました。
「のぞみ」や「はやぶさ」のときにもやったように、実家の家族全員の名前を刻みたかったけれど、先週帰省したときにみんなに相談しそびれたので、今回はうちの「私+妻+子」までにしました。

今回のキャンペーンは、応募者数が「のぞみ」や「はやぶさ」に比べて伸び悩みました。そして、締切間際の2月24日になって、キャンペーンの主体である日本惑星協会からのメールマガジンで、「はやぶさのキャンペーンに参加した人は、名前だけでも惑星協会の手で登録させていただきたい。遠慮する人は、断りのメールを下さい。」という旨のお知らせがありました。これに対して、収集した個人情報の目的外使用ではないのか?との疑問の声が、ネット上でも散見されました。私もこの措置は少々やりすぎで、このキャンペーンはSELENE計画に親しみをもってもらうことが主眼であって、数を集めることが目的ではないと思います。

ともあれ、私もSELENEには(ほんっっっっのちょっと)関わっていたし、キャンペーンにも共感するので、人の手で登録されるよりは自分の手でと思い、締切間際に登録した次第です。

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2007年2月21日 (水曜日)

直訳

先週から、研究教育棟のトイレ全個室に登場した張り紙。
20070221warning
WARNING !

Do not toilet paper in large quantities

because it cause clogging

先週、学生たちが 「あれ、見た?変だよね ( ´,_ゝ`)プッ」 と笑っていたので、聞いてみると、トイレに変な張り紙があったとのこと。さっそく、自分も見に行ってしまいました。工学部事務にしては、がんばった方だと思うが、突っ込みどころ満載。
 「"toilet paper" って動詞かよ。」
 「bacause と cause だぶってる。」
 「cause 使うなら it の後は causes だろう。」
など、ひとしきり茶々を入れあいました。まあ、言いたいことは分かってもらえると思うけど、うちのボス(外国人)には見せたくない。

これは撮影して晒したいと、企んでいたのだけれど、男子トイレとはいえトイレでシャッター(疑似)音を立てると、あらぬ誤解を生まないかと心配で、他に人がいない時をねらって、ようやく撮影できました。

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2007年2月16日 (金曜日)

パソコンを修理に出した

自宅のパソコンは2003年購入のデスクトップ型VAIO(PCV-HS73B)。メーカー保証は1年ですが、ベスト電器のオプションで5年保証をつけておきました。

購入後、1年ぐらいして、液晶モニタ上部に内蔵されたCCDカメラの映像が写らなくなりました。しかし、たいして使っていないので放置。このパソコンはTV兼用で、毎週見ている番組があったりすると、軽症なら修理に出すのは躊躇されます。

2005年に突然、本体内でCPUのヒートシンクが外れたらしく、揺するとカラカラ音がして、起動途中に熱暴走する状態に。保証期間中なので、自分で開けて直すリスクより、先のCCDの故障と合わせて修理に出すことにしました。起動できない状態だったし、ソフトは関係ないからとタカをくくり、HDDのバックアップはとっていませんでした。ところが、修理に出して数日後、HDDをフォーマット・再インストールしてもよいかとの確認の電話があり、「ダメ!」と断り、そのまま返却してくれるようお願いしました。最悪でも自己責任で内蔵HDDを取り出して、他のPCにつないでデータを吸い出す覚悟でした。ところが幸い、マザーボードの交換まで済んだ段階でのSTOPとなっていて、本体の問題は直っていました。(外れたヒートシンクが基板を傷つけた可能性があるため、交換したらしい。)
HDDのデータは無傷でした。ただ、モニタの内蔵カメラの方は、故障したまま手つかずでした。その後、外付のWEBカメラを購入しました。

さて、それから2006年の夏頃から、内蔵光学ドライブの調子が悪くなってきました。
初めは、自分で書き込んだDVD-Rが読めない。(書けるけど読めない) やがて、市販のDVDも読めない率が上がってきて、最近はDVD類はまったく読み書きもできなくなりました。CD-ROM類は、現在も読み書きともできます。
聞いてみると、私の数ヶ月後に買った、義父のVAIO PVC-HX70や、うちの学生のVAIOノートでも全く同じ症状で、徐々にDVDが読み書きできなくなっていったとのこと。VAIOで採用している光学ドライブで何か部品の劣化が起きている気がします。

当面は、バックアップ用に買った外付の大容量HDDにデータを移し、それを仕事用のLet'sNoteを持ち帰ったときにつないで、Let'sNoteの内蔵ドライブでDVD書き込みしていました。デジカメ写真のバックアップとかなら、その方法でも何とかなるのですが、DVDビデオの作製は仕事用Let'sNoteにはソフトが入ってなくてできません。

さて、昨年末までドラマ版「のだめ」をみていたのですが、今クールは見ている番組もなくなったことから、改めて修理に出すことにしました。(妻が帰省しているので、私さえTVを見なければ修理に出せる。)
今度は、あらかじめ外付HDDに完全バックアップをとり、最寄りのベスト電器へ持ち込みました。

結果は後ほど。

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2007年2月15日 (木曜日)

第一級アマチュア無線技士 試験申請

申請締切は2月20日、試験は4月7日@熊本。
当初、昨年春に2級を狙っていましたが、試験の申請をしそびれてしまい、取り寄せていた申請用紙(1・2級兼用)が残っていました。その後、インターネットからの申請が可能になり、昨夏の2級の試験はインターネットから申請しました。
さて今回、1級に合格すると、昨年取り寄せた申請用紙が永久に使う機会がなくなるので、手間はかかりますが、あえてこの用紙を使って郵送で申請しました。たかだか210円ですが、どうも物を残すというのが気分が悪い性格でして。

これも注文しました。

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2007年2月11日 (日曜日)

お宮参り

子供は妻の実家で里帰り出産して、そのまま当分(首が据わり、かつ良い季節になるまで)は里帰り育児。私はおおむね2週間ごとに、上京して育児参加しています。「やわらか戦車4」のような状態です。今日も子育てキャノン発射!

2週間ぶりに見ると、成長に加速がかかっているようで、また一段と大きくなっていました。生後6週間で、もうすぐ5kgになります。

さて、今回の帰省の主目的はお宮参り。
先週の方が、お宮参りの目安である生後30日に近かったのだけれど、節分と重なり神社が大混雑するのと、家族の都合がつかなかったため、一週間遅れで実施です。それでも、相模国一之宮を誇る寒川神社のこと、連休の大安なので賑わっていました。受付までの行列だけで2時間近くかかったかな。妻子には行列は無理なので、義母に代表して並んでもらいました。受付後、待合室でさらに待ち。それから、約200名ずつ昇殿し、祈祷してもらいます。「この人数で、祝詞はどうするんだろ?『以上147名代表、かやまひろし』じゃあるまいし」と思っていたら、神主さん3人がかりで超早口で全員読み上げるのでした。プロの技を見ました。

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2007年2月10日 (土曜日)

ロケットまつり

九州在住だとなかなか参加できずにいました「ロケットまつり」、今回は帰京のタイミングと合い、初めて参加できました。開会冒頭の、「初めてのかたいらっしゃいますか~?」で挙手をしたのが数人しか居ませんでした。みなさん常連なのですね。

参考:
松浦晋也のL/D
まんぷく::日記
はやぶさまとめニュース

今回は「はやぶさは見た」と題して、小惑星のサイエンスの観点から、若手研究者御三方のトークショー。

キーワードを列挙します。

イトカワの北極はどっち?→右ネジ方向
  理学者はイトカワの北極を上
  工学者は太陽系の北極を上に描く
ラッコの口のωの由来
  2ch系ではない
地名の草案は、イトカワ到着パーティでの酔っぱらいの戯れ言
  内之浦の飲み屋(没)
  妖怪シリーズ ぬらりひょんクレーターとか(没) ←某Aさん
  内部ではラッコ地名
ラッコの後頭部に延髄切り仮説
Opposition効果
NIRS(近赤外分光計)のふしぎな旅
奇跡のアライメント
コピーロボットのボタンか、モノリスか
クレーター探しは心霊写真?
イトカワはどこから来たか?いつできたか?
  ヤーコフスキー効果
  木星軌道との共鳴
お誕生ケーキ

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風雲デブリ vs だいち (交差高度差の期待値)

新聞に紹介された1.4kmという数字の意味がわかりにくいので、ちょっと補足します。(これを紹介してくださってる、ブログや2chスレでも、数字が一人歩きしがち。)

2月1日のデータ(軌道要素)では最接近軌道が高度差384mで交差。
2月7日のデータでは、その物体は高度差40kmまで離れ、別の物体が1356m差で交差。
と、個々の物体との交差高度差はまだ安定しませんので、これらの数値はたいした意味がありません。
朝日新聞の記者さんにも、その点は理解していただいて、記事では

南極上空に同時期に来ない限り衝突の危険は少ないが、デブリの軌道は刻々と変化しており、宇宙機構も監視を強めている。
という表現になりました。

群としての振る舞いを見ると、±10kmで交差する物が18個、±20kmで交差するものが36個。この数値も漸増していますが、発見デブリ数に対する比率は安定しています。つまり、2月7日時点では平均的に高度1.1kmごとに交差するデブリが存在しているわけで、平均して±550m以内で1個と交差することになります。そう思うと、今回のデータの「1.4km」は大きめで、たまたま近くにいなかった状態だったようです。

昨日見たデータでは、発見デブリが700個を越えていました。そのデータではちゃんと計算していませんが、2月7日より1割増ですから、上記の数値も「±500m」くらいになっていると予想されます。

仮に高度差 0 でぴったり合っていても、同時に交差点に来なければ衝突しません。お互い、一日に軌道を約14周しますから、例えるなら「1日に車が14台通る田舎の道を、目をつぶって1日に14回横断して、はねられるようなもの」です。(本当は速度も影響します)
計算したところ、完全に高度差 0 のデブリが1個あった場合、10km以内にニアミスするのは3回/年、1km以内は0.3回/年(つまり3年に1回)、100m以内は30年に1回・・・・この調子で比例して、本体に衝突と見なせる3m以内は1000年に1回と予想されます。仮に高度差 0 のデブリが1000個あったら、1年に1回衝突ですね。

今のたとえ話、高度差0という仮定は問題を2次元にしているので、ニアミスとする半径に対して比例する回数となります。
現実的な、高度方向に分布した3次元モデルだと、ニアミスとする半径の球の投影面積に比例、つまり半径の2乗に比例します。毎日新聞で紹介されたように、646個のデブリのうち10km以内に38回/年ですから、1km以内は100分の1の0.38回/年(2.6年に1回)。100m以内は260年に1回・・・・3m以内は28万年に1回です。

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2007年2月 8日 (木曜日)

「完全破壊」の話

どの程度のデブリが当たったら、衛星が破壊されるのか?
NASAの経験則で 40J/g という値をよく使います。衝突してくるデブリの運動エネルギーを、衝突される衛星の質量で割って、40J/g以上なら「完全破壊(catastrophic)」、それ以下なら「部分破壊」とします。
「~となります」ではなく「~とします」なのは、両者の材質や当たりかたなど不確定要素が多いので、これ以上なら実際に破壊されますという線引きが難しいから。単に、デブリの研究上の都合で、これ以上を完全破壊するものといわば「定義」しているのです。破壊で発生した破片の統計的分析では、横軸にサイズ、縦軸に数(厳密には、「そのサイズ以上の破片の数」)をとってグラフを描くことが多く、「完全破壊」モードか「部分破壊」モードかで、分布グラフ形状が変わってきます。

完全破壊というのは、衛星の主構造が粉々に砕け散るような状態。うちの学生が昨年、模擬CubeSatにデブリを衝突させて、完全破壊させた実験の簡単な報告が、The Orbital Debris Quarterly News, Volume 10, Issue 3, July, 2006. の4ページ目に掲載されています。写真もあるので、見れば「粉々」さが分かってもらえるかと思います。

さて、「だいち」を完全破壊させるデブリの大きさはどのくらいか。
だいちの質量は約4トン。これを完全破壊させる衝突エネルギーは、
4ton×40J/g = 1.6 × 108 J
風雲1号Cのデブリ軌道とはほぼ直角に交差しますから、相対速度はおよそ斜め前方45度から 10km/s。デブリの質量 1kg あたりの運動エネルギーは、
1/2 V2 = 0.5 × 108 J/kg
したがって、3.2kg 以上のデブリなら、完全破壊のエネルギーを持つことになります。3.2kg なら、たとえアルミの塊でも、直径 10cm 以上になりますから、事前に発見して回避可能です。

ちなみに既存のデブリとの衝突は正面衝突が多く、相対速度の平均はおよそ 14km/s。これだと半分の 1.6kg で完全破壊に至ります。

もちろん、それ以下のデブリの衝突は「部分破壊」に分類されるとはいえ、本体が砕けないだけで、1kg いや 100g もあれば、大穴を空けたり、太陽電池をもぎ取るなど、機能喪失に陥らせるだけの破壊力を持ちます。

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見えていない微小デブリ

(当初、下の記事に追記していた内容。加筆して、新しい記事に分けました。)

現在の技術で、地上から確実に観測できるデブリの大きさは、低軌道で10cm、静止軌道で1mと言われています。これより小さいデブリは、地上から観測できませんが、帰還したシャトルや回収された衛星の表面にできた微小クレーター(衝突痕)の分析から、その密度分布が推定されます。おおむね、サイズが小さくなると指数関数的に数が増えると予想されています。

新聞に紹介されたような既知の大きなデブリは、事前に予測して回避できるから、じつはそんなに怖くありません。むしろ怖いのはより小さくても十分な破壊力を持ち、多数存在している微小デブリです。このニュースで当初取り上げられたのはISSへの危険ですが、ISSの与圧区はホイップル・バンパーで防護され、直径1cmまでのデブリなら受け止められます。それに比べ、通常の人工衛星は無防備で、1cmでも当たれば大穴が空きます。1mmでも部分的な機能喪失や、太陽電池なら出力低下を引き起こすかもしれません。
20070201masterクリックで拡大

さて、MASTERのモデルによると、既存のデブリのALOSへのニアミスは、10cm以上のデブリの数(Cumulative Flux)にくらべ、1cm以上のデブリは約17倍、1mm以上のデブリは約2000倍の数と予測されます。
風雲1号Cの微小デブリの「サイズvs数」の分布は未知ですが、定性的には同じように、小さなデブリほど何十倍も何百倍も存在するはずです。
この問題について、うちの学生も、関連する計算や実験を行っています。

宇宙機ダイナミクス研究室:スペースデブリ/衝突実験
宇宙機ダイナミクス研究室:2006年エイプリルフール
ハルカナルミチ:破片数訂正
Tsuruday:ASAT
New Satellite Impact Experiments, The Orbital Debris Quarterly News, Volume 10, Issue 3, Page 4, July, 2006.

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おまけ:最近の記事を書いていて我ながら笑った誤変換
「微笑デブリ」    :-)
「微少デブリ」   (これは間違えやすく、気付きにくい)
「衛星破壊平気」  (気まず・・・)

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2007年2月 7日 (水曜日)

風雲デブリ vs だいち (続報)

電話取材を受けました。
中国破壊衛星の破片、「だいち」軌道に接近(2/7 朝日新聞)

この機会に、本日の軌道要素(デブリは646個に増加)で計算し直したら、先週「高度差384m」と言っていた物体は、最接近でも40kmまで遠ざかっていました。思ったより変化が大きかったです。まだ軌道測定誤差も大きく、太陽光圧や空気抵抗による軌道の変化(摂動)に影響を与える[面積/質量]の値が個々のデブリについて未知なので、将来予測が難しい段階です。ですから「最も近づくのは何km」というのは、今日の軌道についての瞬時の値で、数日後には意味の無い数字になってしまいます。記者さんにもそれは理解していただいたうえで、記事に目を引くために使ってもらいました。

というわけで、中期予測としては個々のデブリの距離を見るよりも、群としての統計的な振る舞いで比較すべきです。本日のデータでは、10km以内で交差するもの18個、20km以内36個です。現在の軌道で固定(摂動を無視)して、確率的に計算したところ、交差のタイミングまで考慮して、だいちに10km以内までニアミスするデブリは、1年間に延べ37.7回という計算になりました。

比較のため、この衛星破壊実験が無かった場合について、ESAのデブリ環境モデルMASTERで調べたところ、直径10cm以上の物体が、だいちから10km以内をニアミスする頻度の期待値は年間1378回(2/10訂正)1737回もありました。つまり、この高度はもともと汚れている軌道なのです。だからといって、今回の衛星破壊ぐらい誤差だからいいじゃないか、とはいえません。もともと汚れているからこそ、ケスラーシンドロームに陥りやすく、注意深く保全しなければならないのです。

そういえば、デブリ対策を議論する国際会議IADC(国際機関間デブリ調整委員会)は、今年は4月23日~26日、よりによって中国(北京)で開催されます。波乱の予感・・・。

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追記:毎日も出た
<中国衛星破壊>破片が日本衛星に衝突・接近 年に38回も(2/7毎日新聞)
毎日新聞の科学記事は割と質がいいのだが、見出しに「衝突」は言い過ぎだろう。記事中の接近回数が「10km以内」という説明を入れてほしかった。

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追記:やっぱり、毎日の科学部の記者さんはがんばったのだけれど、編集過程で削られたらしい。これはお互いに残念でした。悪く書いてごめんなさい。

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2007年2月 2日 (金曜日)

衛星破壊のニュースについて

「中国の衛星破壊実験、影響は?」(1/28 時事)
この記事の、図の使い方は不適切。
ここで引用されているNASA作製のCG(オリジナル画像はここ)は、中国の実験前の既存の物体(低軌道では数千個)をプロットしたものですが、本文の記述が曖昧で、これが中国の出したデブリ(既知517個)であるかのように誤解されます。
CelesTrakのサイトに掲載されているこちらの図を引用するほうが適切です。もっとも、その図にしても、中国のデブリを線で、既存の物体を点で示しているので不公平です。
今回のことに対して、中国の肩を持つつもりはありませんが、このような表現は、実際以上に危機感を訴え、中国非難論を煽動しているように感じます。

「中国の衛星破片、軌道にびっしり…人工衛星などに脅威」(2/1 読売)
「コンピューター画像の分析で明らかになった」って格好良く表現しているけど、CGで軌道を描かせて目視による定性的判断ってこと?それとも、マスコミ向けに分かりやすい図だけ公開して、内部ではもっと詳細な分析もしているのかな。
先の記事での私の計算も、視覚的にしか見せていませんが、衝突確率を定量的に計算した際の副産物です。

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2月6日追記
研究室のウェブサイトに、風雲1号CのデブリのCGを追加しました。
うちの助教授作製のもので、NHKのニュースで使われたらしい。
http://ssdl.aero.kyushu-u.ac.jp/?SpaceDebris%2FOrbitalAnalysis#ASAT

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風雲1号Cのデブリと「だいち」の軌道関係

中国が破壊した風雲1号Cのデブリは、だいち(ALOS)の軌道と近い高度を飛んでいます。ともに極軌道で昇交点赤経が80度くらい異なっているので、両者の軌道面は北極と南極の上空で、ほぼ直角に交わります。したがって、衝突する場合の飛来方位は斜め前方45度くらいから、相対速度は軌道速度のほぼ√2倍の秒速10kmとなります。

さて、この軌道面が交差するあたりで、軌道はどの程度近づくのかと思い、Celestrakからダウンロードした、517個のデブリの軌道要素ファイルを使い、ALOSがデブリの軌道に最接近するときの、真近点角と高度差をプロットしてみました。
グラフ中央、高度差0の青線がALOS軌道を表し、右へ飛行していると思ってください。赤点はデブリ軌道がALOS軌道面を画面にほぼ垂直に貫く場所といえます。プロットしてある横軸の真近点角の8度の範囲は距離にしてほぼ1000kmです。クリックで拡大表示です。

北極上空
デブリの発生点に近い側なので、あまりばらけていません。もとの本体の軌道高度差177kmあたりに集中しており、ALOSに接近する軌道もほとんどありません。
ALOS軌道とFY1Cデブリの関係図(北極)

南極上空
こちらは高度方向への分布が広がっており、ALOS軌道に接近する可能性のあるデブリもたくさんあります。最も近づく可能性のあるのは、国際標識99025EFのデブリで、高度差わずか384m!
ALOS軌道とFY1Cデブリの関係図(南極)

誤解がないように言うと、このグラフは「点と点」の衛星間距離ではなくて、軌道の「線と線の距離」なので、交差するタイミングが合わないかぎりは大丈夫ですが、要注意。ここでプロットしてある517個というのは、地上から観測可能な、おおむね直径10cm以上の物。より小さいデブリも十分な破壊力をもっており、数はこの何倍も発生しているはずです。それら未発見デブリも、分布形状は上のグラフと同様になっているはず。ただし、摂動力のため、今後は時間をかけて分布が拡散してゆくでしょう。

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2月9日追記
spacewalkerさんがすばらしい可視化プログラムを作られました。
トラックバック参照

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2月10日追記
上の図で、517個のデブリをプロットしていますが、デブリの軌道周期は約6000秒ですから、平均して約12秒に1回横切るデブリがあります。したがって、あの赤点は「約12秒に1回、どれかが現れては消える」のが、より正しい認識です。幅数百kmの範囲に12秒ごとに爆弾が落ちてくる中を走り抜けるようなものです。
なお、2月9日に見たデータだと、デブリは約700個になりましたので、この例えは「9秒に1回」になります。

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