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2007年1月24日 (水曜日)

納豆に罪はない

件の番組は見ていなくて、「なんか最近、納豆が売り切れているな~」と思っていたら、そういうことだったのか。一昨日、スーパーに寄ったら、閉店間際なのに納豆が山積み。特需に応えて増産したところで、捏造が発覚したせいですね。もとから納豆好きの私にとっては、もとどおり入手できてありがたい。あの番組があろうが無かろうが、ダイエット実験は捏造であろうが、納豆は他の面でも良い食品なので、これに懲りずに食べましょうよ。ただし常識的な分量でね。

さて、今回の騒動を見て、思ったことをいくつか書きます。全体として纏まってないのですがご容赦を。

(1)お勧めサイト
以前読んで面白いと思ったサイト。今回の事件を考える参考にどうぞ。
ポチは見た!~マスコミの嘘と裏~
ポチとご主人様の会話を通して、マスコミの裏事情をえぐる。とくにスポンサーとの関係について。(一応、フィクションという体裁を採っていますが・・・)

教養ドキュメントファンクラブ
教養番組、ドキュメンタリー番組、科学番組、ニセ科学番組、などを「エンターテイメント度」「情報信頼度」「タイプ分け」で評価しています。例えば主なところで、

番組名エンターテイメント度情報信頼度タイプ分け
発掘あるある大事典宣伝型
サイエンスZERO知識型
ためしてガッテン実用型
という具合。


(2)自分の場合
自分も、その手の健康番組で紹介された食材を買うことはある。でも、効能は信じていなくて、

元々好きな食材を番組で紹介されて、「最近食べてないなあ」と思い出して食べたくなるケース。 → メカブが体臭防止に効くとして紹介されたとき。

変わった食材で、単に試食してみたくなったケース。番組直後は入手しやすくなるので。 → ヤマブシタケが物忘れに効くとして紹介されたとき。これは表面積が大きく煮物の味がよくしみこみ、大変おいしかった。価格を考えると常食にはできない。まだ二人とも物忘れは大丈夫そうなので不要。

(3)なぜ信じるのか
Yahoo!ニュースで斜め読みしただけですが、事件発覚直後の記事で、「痩せないので変だと思った、信じていたのに騙されてショック」というような、消費者のコメントが紹介されていました。あの番組を信じている人がこんなに多いということのほうが驚愕でした。

(4)「最新の研究」とは
よく使われるフレーズ「最新の研究によると」とは、言い換えれば「まだ広く認められていない学説」ですよ。「そういう研究もある」が、まだ「定説」ではないのです。「仮説」や「異端説」と言ってもいい。
「アメリカの研究」という表現も要注意、なぜか国内の研究より権威が付く感じがしますが、アメリカだって研究者はピンキリです。また、とくに健康問題に関しては、欧米人と東洋人の体質や生活習慣の違いが無視できないと思います。
それでも、「最新の研究によるダイエット」を試すなら、自己責任でのボランティア被験者と心得ること。白インゲンやニガリの過剰摂取事件を忘れぬこと。

(5)実験方法
あの手の番組は数人の被験者で「実験」して「科学的」に見せます。せめて対照群をつくり、プラシーボを考慮してブラインド(できればダブルブラインド)でやって欲しい。そして統計的な「検定」を行うべきだ。そうすれば、かなりの人数の被験者がいないと、検定で危険率5%以下を達成できないことがわかるだろう。

(6)食べて痩せる、ばっかり
寒天を食えと言ったり、納豆を食えと言ったり、どれが本当ですか?勧めるもの全部食べたらお腹がパンクします。だいたい、今回のように「○○を大量に食べる」という結論のときは怪しい。それを実行したら、それだけでお腹いっぱいになり、例えば野菜が不足して、不健康になるでしょう。まさか、体調を崩して痩せるのがねらいか?バランスよくいろいろ食べましょう。

(7)暴論
納豆で痩せるなら、茨城県にデブはいない?

(8)ニセ科学つながりで・・・
ちょっと話題がとびまして、ニセ科学の横綱のマイナスイオン。
一時期よりブームが収まった感があり、眉唾だという知識も侵透し始めたようですが、まだまだ家電品では人気です。嘘と知りつつ、マイナスイオンを吹き出す家電を買わざるを得ない状態。メーカーも嘘と知りつつ、マイナスイオン機能を付けないと、競合商品に対抗できないという。
もう一押し、マイナスイオン不要論が普及すれば、メーカーも「マイナスイオン機能を省くことで、コストダウン」という方針転換が消費者に受け入れられるようになるのではないか。
どこかの、科学番組で徹底的に叩いてくれないかな。家電メーカーがスポンサーについている民放では難しいだろうから、NHKしかできないかも。

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コメント

日本の義務教育では科学的思考を教えず、科学の成果の一部を絶対真理のように教えるので、
科学的なら、ある事柄に関して完全に正しいか完全に間違いか決る、という誤解をしている人が多いと思います(私も中学くらいまでは、答えが一意にきまるから理科の方が国語より好きと思ってました)。
そのため、部分肯定部分否定のような正しい結果は受けが悪く、どっちかだけ選択して白黒つけないと視聴率がとれないでしょう。

マイナスイオンとかでも、「徹底的に叩く」のを前提とした番組作りでは科学的ではないのでは。それとも、どんな条件下でも何の影響もないという結果が既に出ているのでしょうか。マイナスイオンの吹き出し口が黴びにくくなるくらいならあってもよさそうな気がしますが。プラスイオンでもよさそうですけど。

投稿: おーの | 2007年1月25日 (木曜日) 00:23

おーのさん、いつもコメントありがとうございます。

考えがまとまらないまま書いたせいか、たしかに見返してみると、マイナスイオンをニセ科学と無条件に決めつけることもまた、科学的な論調ではなかったです。

教育政策について。
自分の義務教育がどうだったか、自身ではよく覚えていません。どちらかというと、白黒はっきりの詰め込み型だったかな~?
ゆとり教育の目玉企画の「総合学習」がまさに、
>「総合的な学習の時間」においては、
> 知識を教え込む授業ではなく、
>(1)自ら学び、自ら考える力の育成
>(2)学び方や調べ方を身に付けること
>をねらいとした授業が展開されます。
(文科省WWWから引用)
であり、科学的思考の教育も含まれるはずなので、文科省の思惑通り機能していたなら、いまの子供たちのほうが、科学的思考に長けているはず。(?)
私は小学校教育の現場を知らないので、その成否はわかりませんが、まもなくゆとり世代が研究室にも入ってくるので、そうしたら私にも実感できるでしょう。

投稿: ごんざぶろう | 2007年1月29日 (月曜日) 22:51

目標はそうなっていても、具体的な指導方法まで指定されていなかったようなので(そんな教育方法が確立していたとも思えませんし)、現場次第だったのでは。
科学の方法論を知っている教員が熱心に取り組めば科学的思考を教えることもできたでしょうが、そういう教員がいなかった学校では?

科学技術が現代社会に不可欠なのをふまえて社会も理科も統合した、というような説明もあったような気もしますが、実態は社会と理科の合計時間数を減らしただけ、という話も聞いたことがあります。環境問題の自由研究をすればいいみたいな。

学部生は既にゆとり世代では。知り合いが昨年担当した講義ではノートの取り方がわからない学生がいたようです。

投稿: おーの | 2007年1月30日 (火曜日) 00:25

NHKもあやしいという話。
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20070128.html#p01

投稿: おーの | 2007年1月30日 (火曜日) 00:58

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