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2006年12月 2日 (土曜日)

JAXAを騙る振り込め詐欺

妄想の発掘ついでに。
これも5月頃のニュースをもとに書きかけていたもの。加筆修正して載せます。
当時のニュースにからんでいるので補足しますと、JAXAを名乗る詐欺未遂があったのと、JAXAの相乗り公募が発表された頃です。

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4月末のことですが、JAXAホームページおよび、JAXAメールマガジン(36号)に、JAXAを騙る振り込め詐欺への注意が掲載されました。

★ 詐欺電話・メールにご注意
最近、「筑波宇宙センター」を名乗り、「宇宙旅行が当たりました。格別にお安い値段で宇宙旅行に行けます。」と言って旅行代金を振り込ませようとする悪質な詐欺電話、またはメールが発生しております。これらの電話、メールは、JAXAおよび筑波宇宙センターとは一切関係ありませんのでご注意ください。

JAXAが宇宙観光旅行の販売などやっていないことは、宇宙関係者なら常識ですが、一般的にはどの程度理解されているのでしょうね?

あ、まてよ。ISASには宇宙旅行詐欺をしそうな一味がいました。
・・・私の大学院時代の恩師とその弟子たちです。

ISAS>宇宙科学の最前線>
「ロケットの次のゴール」または「詐欺師ペテン師の世界」
ISASニュース 2005.1 No.286(上と同じ内容)

その結びの冗談が、私の恩師の大先生らくして笑いました。

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さて、ここでムクムクと妄想が膨らみました。
「宇宙旅行が当たりました」はいかにも一般人を狙った宣伝文句でした。宇宙の専門家からみたら、ばかばかしいでしょう。でも、安心していて大丈夫でしょうか。むしろプロ相手に、例えばこんな設定の詐欺はどうでしょう。

  • H-IIAロケットの、ピギーバック衛星の打上げに採用されました。打上げ費用は無料ですが、安全審査のための費用を前払いして下さい。今日中に払って頂けないと、次の候補の大学にお譲りいただくことになります。
  • 相乗りのための周波数獲得で、総務省IARUの手続きのために・・・
  • JAXA産学官連携部の者ですが、オープンラボに採択されました。つきましては、共同研究のため・・・云々。
  • IACへの学生派遣支援プログラムに採用されました。渡航費・滞在費はJAXAが負担いたしますが、保険料として・・・云々。

う~ん、どれも詰めが甘い。私は詐欺師になれないか。

「キューブサット物語」にも、詐欺まがいの悔しい出来事が紹介されています。初めにキューブサットの打上を請け負った会社、初めから騙すつもりではなかっただろうけど、代金だけ集めて破綻。

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コメント

宇宙関連でプロというのは大学とか公的研究機関で、予定にない支出はできるとしても面倒な事務手続きが必要で、確認する余裕を与えずに振り込ませるのは根本的に無理があるのではないでしょうか。

投稿: おーの | 2006年12月 2日 (土曜日) 14:06

そのへんが、我ながら「詰めが甘い」と感じ、妄想レベルで留まっているゆえんです。もっと巧妙な設定はないですかね?
→そそのかしてどうする。

プロ組織の中の個人を狙うか。挙げた案の、学生狙いのように。

中小企業なら、大学より支払いやすいかな?
でも統計調査によると、大阪人は振り込め詐欺にひっかかりにくいらしいから、東大阪宇宙開発協同組合は大丈夫そう。

金ではなく、物を送らせてだまし取るのはどうだろう。
「環境試験しますので、××(にせ住所)に送ってください。」

情報を聞き出すとか。実際、うちにもJAXA産学官連携部から、九大衛星の寸法を問い合わせる電話がありましたが、もっと重要な秘密を、JAXAを名乗って聞き出される危険はないか。

古典的に、開運品を売りつける。
「この金の壷を買えば、衛星は間違いなく上がりますよ!」
「秩父神社で衛星の安全祈願しませんか、科研費で。」

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う~ん、私はいったい何を議論してるのだ?

投稿: ごんざぶろう | 2006年12月 2日 (土曜日) 19:57

もうひとつ問題として、比較的狭い業界で主要組織も多くないので、近くの同僚とかに聞いたらすぐばれること。学生でも、普通の詐欺のように私的な内容ならともかく、研究からみの話で先輩なり教官なりに全く相談せず話をすすめるでしょうか。

企業相手に偽の発注というのはあるかもしれません。換金しやすい物があればですが。
発注そのものでなくても、大きな発注をしたいがそのためには担保登録が必要なので手数料を、とか。宇宙関連でなくても既にありそうですが。

偽JAXAをつくって偽HIIで打ち上げを受注するとか。海外に偽NECがつくられたという事例もありますし。

科研費で申請にないお守りを買ったのは不正支出になったのでは?

投稿: おーの | 2006年12月 3日 (日曜日) 14:46

やっぱり難しいですね。

初めに指摘されたように、大学は基本的に、取引登録された相手の銀行口座へ振り込みだから。とんずらしようがない。
神社のお札は、どうやったのだろう?謝金あつかいか。

旅費や学会登録料のように立て替え払いの項目なら、いったん個人が直接払うから、可能性があるか。

「同僚や、先生に聞いたら」と言うのはもっともと思いますが、流行っている詐欺のニュースを聞いても、何で誰かに相談しなかったのかな?と思うようなものが多いです。自分は大丈夫と思っていても、騙されるときというのは、そういうものなのではないでしょうか。最近の詐欺は、相談をさせないよう仕組んで来ますしね。

ちなみに、ニュースによると、件のニセJAXAの電話を受けたという人は、幸いJAXAに知人がいたので、確認をしたそうです。(私の妄想なみにずさんな詐欺でした)

やっぱり、ニセJAXAの正体はヤクザだろうか。

投稿: ごんざぶろう | 2006年12月 4日 (月曜日) 00:22

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