HIT-SATを受信
SOLAR-Bと一緒に打ち上げられた、北海道の小型衛星HIT-SATが、最初に日本上空を通過するのが、16時ごろからの予定と聞いていました。
これを九州大学の衛星通信局でも受信するので、今回の見学メンバーは急いで福岡へ戻りました。
加えて、打ち上げのため内之浦に詰めていた、北海道工業大学と北海道大学の学生4名にも、同席してもらいました。彼らも、さっき打ち上げた衛星の信号をできれば生で聞きたいところ。北海道までは戻れないが九大まで来てもらえば聞けるので、打ち上げのあとの片付けが済んでから、レンタカーで猛スピード(ないしょ)でやって来ました。我々にとっても、開発者から通信系のクセなどの情報を聞きながらのほうが、スムーズに受信できそうです。
打ち上げ直後から、海外の局からは受信の報告が入ってきているので、HIT-SATが機能しているのは早い段階で分かりました。
15時40分前後、1回目のパスは、日本のはるか東を北上するコースで、北海道が辛うじて圏内。
北海道では受信に成功したそうです。
私や、北海道チームが九大に到着したのはこの後の16時すぎ。

17時10分頃、2回目のパス。こんどは日本列島の全域がカバーされます。
MSNメッセンジャーでつないでいる、他大学から続々と受信の報告が入ります。しかし、うちの無線機は沈黙・・・。なぜだ?
衛星が北の空へ去ってしまったあと再確認したところ、連絡のミスで聴取する周波数が誤っていたことが判明。気を取り直して次のパスに懸けます。
18時45分頃、3回目のパス。今回は九州の西を通りますので、我々に期待がかかります。
そして計算通りの時間に、明瞭なモールス信号が聞こえてきました。北海道の学生が見ている前で、面目を保てました。

写真は、受信の様子。手前で見守る4人が北海道の学生。
奥で無線機に手を伸ばしている2人が九大のオペレータ。自動追尾の設定がされていなかったので、あらかじめ時間刻みで計算しておいた表にそって、一人が手動でアンテナの追尾。もう一人が、ドップラーシフトの調整。
その晩は、北海道&九州合同飲み会でお祝いしました。
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→飛び出せ! 北の宇宙基地:打ち上がって その2
→宇宙機ダイナミクス研究室:WebLog/2006-09-23
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コメント
ご無沙汰いたしております.
北海道大学で助手をしております石村と申します.
(稲垣さんの後輩です)
HIT-SAT関係の学生がお世話になりました.
お忙しい中,対応して頂き,本当に感謝しております.
おかげさまで,衛星の方も何とか運用できております.
今後ともよろしくお願い致します.
投稿: 石村 | 2006年9月24日 (日曜日) 22:21