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2006年5月10日 (水曜日)

1996年夏の報告書から

研究室でADF付きのドキュメント・スキャナを導入したので、たまった論文やら学会誌やらをスキャンして、PDFで保存しては紙を捨てている今日この頃。10年前の1996年の文書を見て、はっとさせられることがありました。

それは、1996年の宇宙研一般公開に長友研究室から出展した、太陽発電衛星の主構造トラスビームの自動組立をデモンストレーションする機械の開発について、3年後輩の稲垣氏(当時M2)が、設計資料など一式を分厚いファイルにまとめて、翌1997年に九大に就職した私に譲ってくれたものです。
20060510beam_builder
その中で、学生各自が担当したパートについて、反省点などをまとめ、公開日直後に提出した報告書があります。そして、稲垣氏と同期の久保田氏の報告書の結びが、以下の文です。

5.全体の感想

「ほんとに出来るのか」
 昨年の一般公開後、長友先生が「上下10段づつトラスを組み立てるロボットを作ろう」と提案されたとき、正直言って「ほんとに出来るのか」と思った。その後この課題は稲垣・平山両氏にお任せし、自分は密かにフェードアウトしようと思っていたが、公開直前になって思いっきりフェードインしてしまった。
 公開日直前までハードが形に成らず、おおいに焦ったが作業量が多かったせいか「なんとか出来るだろう」と思うようになっていた。
・・・(中略)・・・

信心が大事
 課題に取り組んでみた結果、プロジェクトの進め方、設計の着眼点、機械工作の技術など貴重な経験を得た。しかし当初予定された機能の1/3の機能しか実現できず、反省点の多い一般公開でもあった。
 特に組織の作り方、その進め方など根本部分での反省が多い。それはリーダシップの有無とは別に、直前まで学生のやる気が欠けていたこと(「出来る」と信じてなかったこと)が大きかったと思う。次回の一般公開と言わず、すぐにでも改善したい点である。

これは、現在取り組んでいる小型衛星開発にも通じる教訓でした。忙しく作業しているわりに、開発が進展したように見えない、閉塞した感じ。

今日、JAXAから
「小型衛星の打上げ機会提供に係る公募の実施について」
が発表されたこともあり、10年前の久保田氏の文章が、改めて身につまされました。さて、九大衛星チームもがんばるぞ。

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