CO2削減PRの子供だまし算数
京急の電車に乗っていて、車内の自社広告に目がとまりました。
要約すると、
- 電車の暖房温度を1℃下げることにより、CO2排出量を削減する。
- 京急の全車両で1日あたり約2.5t。年間(冬期4ヶ月)で約300tの削減。
- これは、33,000世帯が一日に排出する量に相当。
この取り組み自体は良いことだと思うけど、このように効果が大きいように錯覚させる数値操作は好きではありません。(→解説)
詳細は下記プレスリリースに掲載されていました。
京急グループCSR施策:車内暖房設定温度を変更 1度下げて排出CO2量を削減
| 固定リンク
「科学・技術」カテゴリの記事
- ResearchGate(2015.12.30)
- 「事例で学ぶ数学活用法」(2015.02.11)
- こどもっとだいがく(2015.01.08)
- こどもっとだいがく(2014.07.01)
- ILC脊振を応援(2013.04.08)
コメント
解説
世帯数の数値を多く見せるため、会社の年間と、一般世帯の1日あたりを比較している点に作為を感じます。
同じ1年当たりで比較して、「年間300tは、89世帯の1年ぶんに相当」とするのが適切でしょう。
同じ1日あたりで比較して、「1日2.5tは、272世帯の1日ぶんに相当」でもよさそうですが、プレスリリースの数値を見ると「2.5t/日」は冬期の1日当たりの数値、一般家庭の「0.0092t/日」は年間平均。これらを混ぜて計算するのはあまり正しくない。
この広告のように、年間と1日の混在が許されるのなら、逆に少なく見えるよう誇張して、「1日2.5tは、たった0.74世帯の1年ぶん」とだって言えます。
投稿: ごんざぶろう | 2005年12月13日 (火曜日) 18:28
レモン何個分のビタミンCとかいう表現も、レモン1個でビタミンC20mgという基準値が決まっているというだけで、レモンよりビタミンCが多いからといってすごいわけではないのですよね。
投稿: おーの | 2005年12月14日 (水曜日) 19:51