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2005年11月14日 (月曜日)

ミネルバ (ピギーバック機の使命)

ミネルバがイトカワに着地しなかった(らしい)のは残念でした。いつものことながら、「失敗」報道のほうが熱心なマスコミの反応を読んで、2つの事例を思い出しました。
ひとつは、一昨年のESAの火星着陸機Beagle 2。Beagle 2もピギーバック・ペイロードとして母船に搭載された小さな着陸機でした。これが火星の大気圏突入後に通信途絶し、「失敗」と報道されたのち、母船のMars Expressのほうは順調に科学観測の成果をあげているのに、一般のニュースではほとんど報道されませんでした。(この直後にNASAの火星ローバー2機が着陸してより見栄えのする写真を送ってきたので、これにかき消されたせいもあるでしょう。)
もうひとつがISASの小型再突入カプセルDASHの分離失敗。これは、はやぶさの再突入カプセルのための技術試験でもあったはず。一緒に打ち上げられた中型衛星の「つばさ」は成功しているのにほとんど報道されず、「2機のうち1機、つまり半分失敗」という口調でした。
これらピギーバック機の使命は、できるだけ低コストで、新技術のテストや、ハイリスクなミッションに挑戦することです。「税金の無駄」「身内(宇宙関係)に甘い」という意見もあるでしょうが、ぜひ温かく見守って、そして応援してください。

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コメント

「今すぐ実用になるわけではない」という発言に対し「この研究は役に立たないのですね」と詰問するなど、研究内容そのものの報道は口実で、税金の無駄遣いのネタ探しが本命なのだとしか思えないような新聞記者を見たことがあります。
全てのマスコミがそうなのかはわかりませんが、事実の伝達よりも、体制批判を重視している人はいるようです。そういう人なら、失敗等のあら探しにのみ積極的で、批判の対象にできない成功例をとりあげないでしょう。

投稿: おーの | 2005年11月23日 (水曜日) 18:25

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