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2005年7月の21件の記事

2005年7月31日 (日曜日)

IAC参加登録のお知らせ

56th IAC(国際宇宙会議)福岡大会の宣伝です。

参加登録の早期割引が8月1日までです。これを過ごすと1万円以上値上がりします。

種別8月1日まで10月9日まで
会員:91,000103,600
非会員:100,800114,100
学生:16,80016,800

10月9日を過ぎると、+7000円で当日現地での登録となります。
日本航空宇宙学会の会員ならIAFの会員です。
30歳以上の学生は、在学証明が必要です。

実は、昨年うっかり早期割引を逃してしまって、高い料金を払わされたので、今回は同じ失敗をするひとを救いたいと思い、リマインダー的な記事を書いた次第です。

初めて参加したときは、知らずに非会員料金を払ってしまったのも悔しい。厳密な定義は知りませんが、日本航空宇宙学会としてIAFの団体会員のようなものになっているそうです。JAXAもそうじゃなかったかな。(うろ覚えです、該当者はご確認ください。)


もう一つ宣伝。
JAXAによるIAC学生派遣プログラム
満20歳以上満30歳以下の日本国籍の学生100名
8月31日申込締切

参加登録料がJAXAから支援されて無料になります。同様に派遣された各国の学生との交流イベントもあります。当初6月10日締切でしたが、定員に余裕があったのでしょうか、締切が延長され、また参加条件も緩和されています。

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2005年7月30日 (土曜日)

KBCタワー修理

20050730KBC
3月20日の地震で先端が曲がっていたKBCタワーですが、今週から修理が始まりました。うちのベランダからよく見えます。まずは曲がっていた先端部が撤去され、それから続く作業のためか落下物防止の庇が取り付けられています。

比較のため、地震直後の写真はこちら

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2005年7月28日 (木曜日)

WikiHouse

実はすでに5月からなのですが、私用サイトを2つ、レンタルWikiのWikiHouseに移行しています。

【その1】宇宙開発ヘッドラインニュース
宇宙教育のアウトリーチ活動のつもりで発行しているメールマガジン。携帯電話にも対応するよう短い物で、内容は最近のニュースとか打上/イベント/学会/テレビの予定とかです。配信には「ミニまぐ」を使っていて、現在の読者数は約870人。メールマガジンを補足するためにウェブサイトも作っています。
それが、いままで魔法のiらんどのサービスを利用して作っていて、各社の携帯電話によく対応しているのが利点でしたが、編集の自由度が少ないことが不満でした。WikiHouseに移してとくに強化されたのが、イベントカレンダーが見やすくなったこと。欠点は、携帯からのアクセシビリティが悪くなったこと。自分のAU端末からは読めているのですが、ドコモのユーザーから「対応していません」とお叱りをいただきました。ほかの人、いかがでしょう?良かったらアクセスしてみて、機種名とともに結果をコメント下さい。

【その2】いじわるな検索
ウェブ上の誤変換・誤記・誤用を検索してみる悪趣味な企画。
いままで、研究室のサーバーの自分のディレクトリ内に置いていたのですが、お遊び企画なので出来れば職場外のサーバーに移した方が健全であるのと、HTMLファイル(テキストエディタで手書き派です!)の更新が面倒になってきたことで、WikiHouseに移しました。新しい単語の登録が楽ちんになりました。
もちろん、私の趣味ですから、宇宙関係の用語は特に収集しています。
人口衛星,NASUDA,航空宇宙研究開発機構,友人飛行 など。

26日から27日にかけて、宇宙飛行士の名前の誤りのページにバースト的なアクセスが記録されました。「野口聡一」飛行士の誤記例として挙げている

  • 野口総一 (この誤りは多く、JAXA内にもあり)
  • 野口惣一
  • 野口聡  (古川聡飛行士と混乱?)
  • 野口聡一郎
  • 野田聡一

に引っかかったのかもしれません。

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WikiHouseの不満は・・・重い!
とくに夕方から夜にかけて。

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2005年7月25日 (月曜日)

天災

ただいま出張中

7月23日:UNISEC総会@東京大学本郷キャンパス
途中で地震。文京区本郷では震度4。
震源に近い日本大学の学生達は、「東西線も京葉線も止まっていて、このままだと帰れない。」と言っていたが大丈夫だったろうか。
私は妻の実家へ泊まるため、千代田線→小田急小田原線→小田急江ノ島線。ダイヤは乱れていたけど、比較的すんなり帰れました。

7月25-26日:アストロダイナミクス@ISAS相模原キャンパス
初日が終わって帰宅したところ。
主にソーラーセイルやローバーのセッションを聞きました。ここでは「上がれ!空き缶衛星」や「キューブサット物語」に登場したヒーローたち何人かに会いました。いまやJAXAやISASの若手として大活躍してらっしゃるご様子。
26日の夜に福岡に帰る予定ですが、天気予報だとそのころ関東に台風直撃です。帰れないかも。
最近のロケットの打上で、週末に見に行けるよう、平日の予定日に天気が崩れるよう願ったバチがあたったか?

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7月26日夜 追記
台風が羽田に近い房総半島にいたにもかかわらず、奇跡的に風雨は強くならずに、搭乗便は欠航を免れました。ただいま無事に帰宅して、STS-114の打ち上げ中継をみているところ。

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2005年7月22日 (金曜日)

携帯しやすい星座早見「スターポケット」

Amazonをネットサーフィンしていて、偶然に面白い商品を見つけました。普通の星座早見盤は円板形でかさばるのが難点ですが、円筒形で万華鏡のように覗く星座早見です。ポケットにも入るので商品名は「スターポケット」

  






Sculptures-Jeux 社(フランス)製
長さ145mm×直径32mm
恒星数1500

Amazon.co.jpで探す
楽天市場で探す


内部に赤色照明が装備されているというのも、通常の星座早見盤より使い勝手がよさそうです。星座早見盤では、赤セロファンを巻いた懐中電灯で照らしたものでしたが。

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コメントSPAM「ブログ開設おめでとうございます!」

「みんなのプロフィール」を名乗るこいつ、最近あちこちのブログに無差別コメントしているなあ。

まだ、うちには来ていないけど。来たら、見つけしだい消します。
開設1年以上したブログに、いまさら開設おめでとうも無いもんだ。

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2005年7月17日 (日曜日)

物欲の迷い

最近欲しいもので、どちらにするか迷っているもの

【その1】VAIOノート typeTLet's note W4
職場の自分用パソコン。現在使っているのはVAIO PCG-Z505JX、1999年秋のモデルで、モバイルPentium IIの400MHz。気がつけば研究室の現役マシンでは最弱、学生用ノートだって下が500MHzから。メモリやHDDは増設して、ビジネスアプリはなんとか動くけど、3D-CGや動画再生はきつい。そろそろ買い替えを考えていて、今年の科研費にも予算を計上しておきました。出張時に邪魔にならないよう、軽くてスリムな上記2機種が候補。


【その2】デジタル一眼レフ NikonCanon
これは、すぐ欲しいというほどじゃないけど、ばちばち情報収集しておこうかという段階。ゼロから始めるなら、CanonのEOS DIGITALのほうがよさそうと思うのだけど、いままでNikon派だったのでNikonで気に入った機種が出るまで待っていました。NikonのD70sが出たところで迷っています。私の現有の主な機材は、

  • ボディ:FA, EM(どちらも20年もの)
  • レンズ:Ai 50mm F1.8S ×2, Ai 24mm F2.8S, Ai ED180mm F2.8S,(それと、高校生のころ買った、無名メーカの安いズームレンズ 35-105mm F3.2, 80-200mm F4)
  • スピードライト:SB-22
  • モータードライブ:MD-15(FA用)
  • アイピースマグニファイヤー
実際のところ、カメラ本体よりレンズの方が価値があります。できれば活かしたいところ。
もちろん、私が持っているような古いMFのレンズを、最近のカメラにつけた場合は、フォーカスエイドまででAFは無し。それはカメラが趣味ならむしろ望むところ。問題は測光ができないということ。ボディ価格が50~60万円もするような、プロ用の最上位機種だけが、旧式レンズでの測光機能を残しています。しかし中級機以下ではもはや対応せず。絞込み測光くらいできたっていいじゃないかと思うのですが。

さらに悩ましい選択肢、天体撮影に向いたEOS-20Da・・・受注生産で25万円。

う~ん。こうやって悩んでいる段階がいちばん楽しいのですよね。

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7月24日 追記

5thstar_管理人さんも旧来のNikon党で、最近のCanon EOSの性能を認めつつも、できればNikonの挽回を期待したいというご様子。その気持ちよくわかる!…というわけで、トラックバック送らせてもらいました。
→ 5thstar_管理人_日記:でじかめ

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「逆境ナイン」と「夢をあきらめないで」

映画「逆境ナイン」公式サイト http://www.gk9.jp/

なつかしいなぁ。逆境ナインが連載されていたのは、私が大学生のころ。仲間うちでけっこう人気がありました。バカバカしいけど元気付けられるんですよね。その後、掲載誌の少年キャプテンは廃刊、徳間書店の単行本も絶版になるなど、それこそ逆境にありながら、一部コアなファンに支えられ、知る人ぞ知る伝説の漫画として語り継がれていたようです。連載から15年近く経ての映画化です。

単行本も小学館から復刊されていましたので紹介します。
島本 和彦 (著)
逆境ナイン(単行本)

もうひとつ懐かしいのが、この主題歌!
岡村孝子
夢をあきらめないで
「逆境ナイン」リマスタリング・バージョン

(初回限定盤 DVD付き)

このリマスタリング・バージョンの解説によると「原作の島本和彦が漫画連載当時聴いていたという逸話のある楽曲」だったそうです。これは1987年の曲で、高校3年生だった私は大学受験の記憶と重なります。(そういえばこの曲は、某予備校のCMにも使われていた) 冬の新潟で、コタツで勉強しながら、ラジオで聴いていたのを思い出します。そして模試ではD判定しか出したことが無いという「逆境」でしたが、入試の本番では「男球」を出せたのかな。自分でも驚いた合格。進路振り分けでも難関の宇宙工学コースに入れ、「夢をあきらめないで」がんばってます。

岡村孝子さんは、1997年から結婚・出産などで一時活動休止して、そのころから私もしばらくCDを買っていなかったのだけど、久しぶりに見るジャケット写真・・・昔はお姉さんだったのが、お母さんの顔になってますね。シチューのCMが似合いそうです。

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能代宇宙イベントにむけて追い込みに入っている各校のCanSatチームへ。
へこたれそうになったら「逆境ナイン」を見ると、闘志が湧きますよ。

例えば九大では、能代への交通の便の悪さと、キャンパス移転作業が逆境。

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2005年7月15日 (金曜日)

最近の笑止なSPAM文面

噴飯物だったので晒します

【その1】「ウーマンフリー」とは?

Subject: 株式会社ウーマンフリー
Date: Mon, 11 Jul 2005 16:45:36 +0900
From: 高崎 千賀子 <takasaki_chikako_ss@yahoo.co.jp>
私は株式会社ウーマンフリー代表の高崎と申します。
突然のメールをお許し下さい。

(以下略)

出会い系の迷惑メールです。「自由(でエッチ)な女性」のつもりの安易な命名でしょうが、それならせめて「フリーウーマン」でしょうよ。ウェブ上の誤用の定番とされる「リンクフリー」についてよく言われることですが、「*** free」は「***が無い」の意味。(e.g. smoke free, barrier free, tax free, sulphur free)
ということは「ウーマンフリー」だと、「女性から解放された」とか「女人禁制」というような意味になるでしょうから、きっと女性がいない「出会えない系」なのでしょう。(メール本文には、男性会員の不足につき無料で云々と書いてありましたけどね)


【その2】退会するために登録せよ?

Subject: Re:ご確認下さい。
Date: Thu, 14 Jul 2005 21:38:32 +0900
From: kanri <kanrijimusyo@nifty.com>
現在、お客様は仮登録状態にあります。
至急、本登録をお済ませ下さいます様お願いします。
仮登録の状態のままですと、当サイトのサーバーに影響
がでてしまい、損害賠償請求する場合もございます。
また、退会希望でしたら、即、無料にて退会手続きができますので
登録をお済ませ下さいますようお願いします。
下記へ空メールにて送信下さい。登録メールを送ります。
reg-M-pc01ma@19190930.com

どっちにしろ登録しろと。作り話だけど、仮登録状態でサーバーに「損害」といえるほど影響が出るなんて、スカポンタンな登録システム。
記載されているメールのドメイン、エロ語呂合わせだね。
7月24日 追記
ここへ空メールを送るとどうなるのか、実験した勇者様がいらっしゃいました。もちろん捨てメールアドレスで。
Premium Platinum Show:「Re:ご確認下さい。」
それによると、「仮登録が完了しました」となり、さらに本登録のためのURLが指示されるそうです。あれれ?すでに仮登録状態だったはずなのに、バカの上塗りなSPAMです。

【その3】無名のセレブ
これはとくに例文を挙げませんが、「セレブとの出会い」を謳ったメールが多いです。それらの文面を見ると、「セレブ」を「金持ちの女性」のような、ごく狭義で使っているとしか思えません。TVのバラエティ番組でもそういう使い方は見られますね。

セレブ(celeb = celebrity)は「有名人」です。
男女ともに使います。
いくら金持ちでも無名ならセレブではありません。
(作り話だろうけど)出会い系に身売りするような人はセレブに値しません。
貧乏でも有名ならセレブと呼べるのかは不明?(借金もちの芸能人とか)

ウィキペディアでも見てみたら、「日本独特の意味」の解説がありました。そして「日本のセレブ」の例が挙げられ、デヴィ夫人に対してだけ「本物のセレブ」とあるのが笑えました。


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そういえば以前、ニフティの学習型SPAMフィルターについて「どうも日本語のSPAMに甘いようです」と酷評しましたが、6月から急に日本語のSPAMの認識率が向上しています。

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2005年7月14日 (木曜日)

次期小天体ミッション

本日、宇宙研に出張。
次期小天体ミッション提案のための、土壌サンプリング方法の検討会議に参加。今回は具体的な成果を示せなかったのが遺憾。次回会合までにはBBMくらい見せたいな。


関係リンク


地層のサンプル・コアを採集する装置をコアラー(corer)というのだけれど、どうも会議中に「コアラーが・・・」と聞くたび、有袋類のコアラが脳裏をマーチしてゆきます。

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2005年7月11日 (月曜日)

ロケット見学の際にちょっと心を痛めたこと

内之浦の管理棟前に集合して、見学所へ移動するバスを待っていたときのことです。

打ち上げがせまり緊張感が高まってゆく構内で、近くを通りかかったエプロン姿の女性を見て違和感を感じたのでしょう。一緒に待っていた宇宙研の学生グループのこんな会話が聞こえて来ました。
「食堂のおばさんかな?」

大間違いではないが、宇宙研の者ならもう少し宇宙研の歴史を勉強してきてほしい。私もこれが正解か確信はありませんが、そのご婦人は開所以来ロケット打ち上げを陰で支えている内之浦の婦人会のかただと思います。

的川先生の著書「宇宙にいちばん近い町―内之浦のロケット発射場」を読むべし。

ASTRO-EII/M-V-6 カウントダウンページ宇宙作家クラブ ニュース掲示板 の7月3日の欄に、婦人会からの千羽鶴贈呈の記事があります。


さて、「食堂のおばさんかな」という推測は、そう思うのも無理はないと思いますが、気になったのはその後の会話の展開。「漁業・農業しかない町に雇用を創出している」とか「打ち上げ特需」など。ちょとそれは偉そうな物言いじゃないか、何様のつもりだい?実情はそうなのかもしれませんが、お願いだから内之浦の人が聞いている前でそんな発言をしないでね。
思い過ごしかもしれませんが、彼らの会話に、東京から地方を見下す意識と、インテリ層が第一次産業従事者を見下す態度が感じられたもので、以前、的川先生から伺った話で、ISAS/NASDAの先人が漁業関係者と築いてきた信頼関係を、中央の若手エリート官僚にぶちこわされそうになった件を思い出しました。

その場で諫められない自分も弱いなあ。

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ASTRO-EII/M-V-6号機 打上

自分が撮影した、打ち上げのムービーです。

今回も途中でカメラの視界から見失ってしまいました。むずかしい~。
言い訳:両目をつかい、せっかくの機会だから肉眼のほう優先で見ていたから。

私は分かりませんでしたが、75秒後の第1段分離も見えたそうです。
ロケットが雲に入った後も、見学場所にあるレーダーアンテナの向きで、ロケットのいる方向が分かりました。やがて東の水平向きになり、アンテナの運動は止まりました。

この後、またバスで管理棟に戻り解散。その管理棟前で、場内放送から「サンチャゴ局で受信」との報告が流れました。

一般向けのニュースには載りませんが、今回のロケットにピギーバック搭載されていた東京工業大学・松永研究室の装置も成功したそうです。おめでとう。


下記、トラックバックを送らせていただきました。
Prophetの小部屋:ASTRO-EII@M-V 6号機 打ち上げ!
masamic日々の雑感:M-V 6号機打ち上げ成功!ASTRO-EII分離成功? (一般席からの動画)
Mew's Room:M5ロケット6号機打ち上げ成功
SPACEWALKER:JAXA M-V#6大成功! (東工大のセミプロカメラマンによる迫力ある写真)

同行者によるレポート
ハルカナルミチ:7/11
つんつんの気まま日記:M5打ち上げ
じんじんの研究日記:X線天文衛星「Astro-EII」打ち上げ見学

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2005年7月10日 (日曜日)

内之浦宇宙空間観測所で打ち上げを待つ

道中記「内之浦へGo!」からの続き(7月13日記す)

内之浦宇宙空間観測所の前に着きましたが、入構する前に2号車の所在を確認しようと電話しても、向こうは携帯電話の圏外のようで連絡がつきません。とりあえず守衛所で、アポありの見学であることを告げ入構。「おおすみ」の記念碑がある分かれ道で、警備担当の職員に、見学者の駐車場として指定されたKS台地の方向を尋ねると、「さっきの学生のグループ?」と聞かれ、後発の2号車の方が少し先に到着していたことを知りました。じつはそこのすぐ左手が管理棟でした、管理棟前に2号車で来た学生4人を発見。こっちの学生2人はそこで降ろし、私だけで車を置きに右手のKS台地へ。KS台地はかつてはK(カッパ)ロケット、現在はS-310やS-520といった、サブオービタルな観測ロケットを発射する場所です。台地にはS-520とM-3-S-3の実物大模型がありました。ここに車を停めて、管理棟まで歩いて戻ります。

管理棟で受付をして、首にかける入構許可証を受け取ります。実は今回の自分たちが、どこでどういう形で見学するのか、事前に詳しくは聞いていませんでした。どうもバスで見学場所まで団体で移動するようです。この時点で管理棟前には我々グループだけ。
しばらくやることもないので、携帯から宇宙作家クラブの掲示版を見ると、この9時の判断はGoとのこと。場内放送でも着々と作業が進行していることが分かります。

さらに待っていると、的川先生が通りかかり、少しお話ができました。
私「雨は止みましたが、まだ風が強いので心配しています」
的川先生「うちの気象班がしっかり予報しているので大丈夫です」
うむ、心強いお言葉。

やがて、20~30人程だったでしょうか、若者の大団体が到着しました。JAXAのロゴと顔写真入りの名札を下げています。20代の男性多数と、30代に見える女性が若干。どうやら宇宙研の学生と秘書さんたちのようです。なんとなく数グループに分かれているのは、研究室単位かな。想像ですが、研究室旅行を兼ねた打ち上げ見学でしょうか。

ロケットのお出ましが始まりました。
場内放送「ランチャーは回転しています」
我々「うわー、見てぇーっ」 しかし管理棟からは何も見えません
・・(数分後)・・
場内放送「ランチャーは停止しています」
場内放送「ランチャー上下角78度にセット」

他に管理棟前に集まったのは、JAXAかISASの職員のような人,NASAの研究者のような人,地元の人かISASのOBなのか初老のご夫婦,など。(みな外見や会話からの推測です) たぶんこの見学は、何らかのJAXA/ISAS関係者むけで、我々はそこに入れてもらったのではないかと思います。

9:30頃、バス3台ほどに分乗して、発射点より2kmか3km南の「宮原新レーダー台地」に移動しました。聞くところによると、ここは一般の見学広場よりは近く、報道向けの見学場所よりはちょっと遠いらしい。パラボラアンテナの乗った建物の横の草地、ロープを張られた範囲内が見学場所です。
20050710radar 20050710field
ここからようやく、ランチャーにセットされて東の空に向かって傾いているM-Vロケットを拝むことができました。
20050710MV6finger
これです!

20050710MV6large
デジカメの光学3倍ズームでは力不足だったので、双眼鏡のコリメート法で撮影してみた。

打ち上げまでまだ3時間。暇です。日も照ってきて暑いので、旧「内之浦町」提供のテントで休みます。往路では計3時間も眠っていないので、帰路のことも考え少し眠っておきます。ここで1時間ほど眠れました。
20050710tent

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そして3時間後の12:30、打ち上げに続く。

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2005年7月 9日 (土曜日)

内之浦へGo!

10日の打ち上げに、学生と計7人で日帰りで内之浦へ行くことにしました。

9日14時の発表では、10日打ち上げの方針で動いています。次のGo/NoGo判断はもうすぐ23時の予定。Goなら、まず先発のヒラヤマ号が3人で0時出発の予定。高速なタナカ号は4人で2時に出発と言っていました。

現地の進行状況の情報は、JAXA/ISASのオフィシャルサイトより、宇宙作家クラブの掲示版が早くて正確なのでお勧め。2chも早いらしいけど、S/N比が悪くて、必要な情報を探しづらい・・・。

----- 以下、帰宅後に記述 -----

まず、ドライブの時間の見積もりについて。福岡から内之浦までの所要時間は、ノンストップなら5時間です。今回の見学は10:30までに管理棟に集合と指示されているので、さらに1時間の余裕をみて9:30までの入所を目指しました。そして、夜通しの運転になるので、少しでも眠くなったらこまめに仮眠をとることにし、1時間走っては1時間休むペースで考え、走行5時間+休憩4時間で所要9時間と見積もり、0時出発と設定したわけです。

さて、10日の0時に研究室に集合。23時の判断結果がどうなったのか、JAXAにも宇宙作家クラブにも情報は見つかりません。大隅地方の天気予報をみると、金曜日の段階で70%だった10日の降水確率が40%まで好転しています。我々としてはGo。
0:10ごろ、九州大学を出発しました。

箱崎ランプから福岡都市高速に入り、太宰府ICから九州道へ。スタートから1時間すぎに、熊本県北部の菊池~植木のあたりで激しい降雨、車線がよく見えません。速度を落とし、次の北熊本SAに入ります。北熊本SAでは1:30~2:00まで雨宿りを兼ねて休憩し、給油もしておきました。同乗の学生2人は夜食に熊本ラーメンを食べていました。雨が弱くなった所で出発。

次の休憩は3:00~4:20まで熊本県南部の山江SAにて。ここで少し仮眠をとりました。2号車からの連絡によると、熊本県北部で激しい雷雨のなかを走行中らしい。

長さ6kmの加久藤トンネルをくぐると、九州道は短区間だけ宮崎県に入ります。宮崎道と分かれるえびのJCTを過ぎて鹿児島県に入り、鹿児島県北部の溝辺PAで5:00~5:40まで休憩、ここでも少し眠りました。
後続の2号車から連絡があり、もう霧島まで来ているとのこと。じゃあここでもう少し待って合流しようかと話し、暫く待ち始めたところで気が付きました「霧島SAって宮崎道の方じゃん。ってことは彼らは都城ICから出るつもり?(それも妥当なコースのひとつ) とにかく待っていても、こちらの道には来ない。」という訳で、待つのを止めて出発。(後で聞いたら、実は2号車の話者は、霧島SAではなく、単に宮崎・鹿児島県境の霧島地方の意味で霧島と言っていて、我々と同じ道を来ていました。)
このころ周囲が明るくなってきました。夜間は見えていませんでしたが、強風で雨雲がおそろしく速く流れています。

鹿児島湾北岸の加治木JCTで九州道から別れ、東へ向かう隼人道路を経て、東九州自動車道に入ります。東九州道は北九州から鹿児島まで、九州の東岸沿いにぐるりと結ぶべく、現在断片的に建設中の高速道路で、鹿児島県内では、隼人道路との接続点の隼人東ICから、大隅半島北部の末吉財部ICまでの30km弱だけ開業しています。この先の、現在は整備計画区間となっている、鹿屋・大崎・志布志まで延びてくれると、内之浦へのアクセスがだいぶ便利になります。

東九州道の終点の一つ手前の国分ICで降りたのが6:00。この春に大隅半島の先からH-IIAを見に行ったときは、同じ国分ICで降りてから鹿児島湾の海岸沿いに南下しましたが、今回は大隅半島の内陸を南南東に横断します。途中でまた疲れたので、大隅湖というダム湖の畔の駐車場で、6:50~7:40まで休憩し仮眠。8:00ごろ、鹿屋の近くのコンビニで、おにぎりやサンドウィッチで朝食。どうも、この仮眠か朝食の間に2号車に抜かれていたようです。

まもなく太平洋に面した大隅半島の東岸に出ました。海岸沿いの道を走ると、ロケット関連のオブジェをいろいろと目にするようになります。橋の擬宝珠がロケット形だったり、海岸通りのの駐車スペースに、昔のランチャーやトラッキングアンテナらしいものが置いてあったり。また、東岸へ出る前でしたが、↑内之浦  という道標に、何故かスペースシャトルやH-II ロケットの絵が添えてあったのはご愛敬。

ところで私は、内之浦訪問はこれで3回目になります。
1回目は学生のとき1991年春の航空学科の見学旅行、引率は中須賀先生でした。宿泊は国民宿舎「銀河荘」(改装中でシンナー臭かった)
2回目は九大に就職してから、1999年夏の研究室旅行。宿泊は、銀河荘がきれいに生まれ変わった「コスモピア内之浦
さて、内之浦の町に入ると、さらにオブジェが増えます。以前はたしかM-3型だったと思う橋の擬宝珠がM-V型になっていました。またロケットの飾りのついたパチンコ屋「銀河」がつぶれていました。(これは出発前にまんぷく::日記で読んで知っていました)
町を抜けると、発射場へ向かう山道を上ります。ここに、新しく広い道路を作っている最中で、あちこちで工事中でした。新しくできた橋には「おおすみ」が載っていたり「すいせい」が模られていたりしました。

そしてほぼ計算通りの、9:00に内之浦宇宙空間観測所に到着しました。

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長くなったので、道中記ここまで。
続きの場内での打ち上げ直前の様子は、別記事で。

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2005年7月 8日 (金曜日)

ハッピー七夕

一日遅れの七夕。学生が笹飾りを作ってくれました。
短冊の願い事は、学業、健康、結婚、など。
20050708tanabata1 20050708tanabata2

そしてサプライズ!
先週誕生日だった私と、来週誕生日のもう一人の職員さんを、お祝いしてくれました。女子学生の手作りケーキ、初めて作ったそうですが、美味しかったです。
20050708cake

先の短冊にも、私たちへのメッセージが添えられていました。
みんな、ありがとう。良い学生達に囲まれて幸せです。

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ものもらい

20050708eye痛い。 (-_x)

数日前、ゴミが入ったようなゴロゴロ感が取れなくて、何度もこすったせいかな。充血しているし。

写真、どアップにすると気持ち悪い~


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7/11 追記
その後の経過をみると、感染症的なものもらいではなく、こすりすぎの外傷的な要因で腫れたようでした。痛いけど痒くなかったし、このあと化膿ではなくカサブタになったので。

そういえば「目からカサブタ
さすがにこの場所にキズパワーパッドは貼れませんねえ。

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2005年7月 6日 (水曜日)

雨漏り

研究室のWebLogに載せた記事を紹介します。撮影した我ながら、途方に暮れます。

もっとボロい建物もあるようです。

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ASTRO-EIIの打ち上げは8日以降に延期

20050706postitASTRO-EIIの打ち上げは、天候不良のため8日以降に延期になったとのこと。
私の呪い願い第1段階は通じました(不謹慎)
こんなこともあろうかと、職場のカレンダーには、動かせるようポストイットで「ASTRO-EII」と貼っています。

本日のお昼休みは、航空宇宙工学科ともあろうに職員の懇談会が入り(他の日が空いていなかった)、中継が見られないところでした。その後も13時からは学生実験の指導があり、1周回後のテレメトリ確認を待っての記者会見も見られないところでした。8日(金曜)ならお昼休みも午後も自由が利きます。

さらに私の願い第2段階、9日(土曜)か10日(日曜)まで延期になれば、内之浦へ見に行きます!


下記の記事、打ち上げのだいぶ前に書いて、見つけにくいと思うので、リンクだけ再掲しておきます。

5月24日掲載「M-V-6号機を見に行こう」
(各地からの見え方予想計算Excel書類配布)

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7月7日の天候判断の結果、10日以降に延期となりました。
しめしめ・・・第2段階到達。さて、これ以上は雨雲を呼ばないようにしようっと。

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2005年7月 4日 (月曜日)

Deep Impact, Armageddon and Meteor

Deep Impactミッション、研究室で学生たちと NASA TV のストリーミング放送で見ていました

衝突予定時刻を少し過ぎてしばらくの間、変化のない彗星のアップが映し出され、管制室のスタッフたちが神妙な顔をしていたので、「もしかして外した?それともあの中央に写っているクレーター、あれだけ?大して飛び散らずにめり込んだ?」などと想像を巡らしました。(言い訳:英語のアナウンスがノイズ交じりで、何の画像なのか聞き取れなくて。)それは、子機が衝突の直前に撮影した画像でした。

しばらく後、突然に管制室は大歓声。どうやら成功を示す何かが見えているのだろうけれど、カメラは、はしゃぐ人間ばかり追いかけている。一人だけ持ち場を離れずコンソールを睨んでいる爺ちゃんがいたな。
はやく画像を見せろー。

スタッフの狂乱が一心地ついたころ、ようやくカメラは、あの決定的画像がプロジェクターで映し出されているスクリーンを見せてくれました。

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さて、ちょっと思ったこと。このミッションを見た学生は、映画「アルマゲドン」や「ディープ・インパクト」を引き合いに出します。私が思い起こしたのは、もっと古い映画「メテオ(原題:Meteor)」。1979年の作品ですから今の学生が生まれる前です。しかも映画評を見ると、大物俳優を起用した割に失敗作だったようで、Amazon.comにはありましたが、Amazon.co.jpには無いくらい、マイナー作品です。学生たちが知らないはずです。私はたしか中学生くらいの頃(1980年代前半)にTVの○曜ロードショーで見ました。それっきりなので、話の細部は忘れました。

この3作品、危機の設定はいっしょです。アルマゲドンもディープ・インパクトも、有人の宇宙船で彗星に核爆弾を設置しに行きますが、メテオでは核ミサイルによる遠隔攻撃です。世相を反映していると思うのが、当時はシャトルが就航前だったことと、冷戦下だったこと。米ソとも秘密裏に軌道上に配備していた核ミサイルを、人類の非常事態なのでお互いに存在を公開し(そこでひと悶着)、同時に発射(ここでも悶着)して隕石を迎撃します。どちらかというと、この機に乗じて相手国を出し抜こうとする政治家や軍人と、科学者や善玉政治家の駆け引きが主体の映画だったようです。1970年代にはリアリティが感じられるストーリーでしょう。


現在でもなお、彗星/小惑星への有人飛行よりは、無人核ミサイルのほうが現実味がありますから、スペースガードの問題で必ず候補に挙がる迎撃法です。今回の、Deep Impactミッションの成功で、人類は彗星を攻撃(?)することも可能であることが実証されたと言えましょう。

次は「はやぶさ」ですね。Deep Impactが砲撃なら、はやぶさは銃撃。拳銃くらいの3発だっけ?


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2005年7月 2日 (土曜日)

2005年7月のカウントダウン

NASA 彗星探査機 Deep Impact子機のTempel第1彗星への衝突まで


JAXA/ISAS X線天文観測衛星 ASTRO-EIIの打ち上げまで


NASA STS-114 Discovery号(野口飛行士搭乗) 打ち上げまで

Deep Impact公式サイト
[NASA] http://www.nasa.gov/mission_pages/deepimpact/main/index.html
[JPL] http://deepimpact.jpl.nasa.gov/

ASTRO-EII/M-V-6 カウントダウンページ
http://jaxa.tv/

STS-114特集ページ
[NASA] http://www.nasa.gov/returntoflight/main/index.html
[JAXA] http://sts-114.jaxa.jp/

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スクリプトは、2月8日の記事「カウントダウン JavaScript」のパラメータを変えただけです。

7月6日はお昼休みに昼食兼会議、13時から必修の学生実験の指導なので中継も見られない。
また前回のH-IIAのように、私の呪い(のろ)い」が通じて、ASTRO-EIIの打ち上げが週末まで延期になると、見にいけるのだけど・・・。
(不謹慎な願いで、関係者さんごめんなない。)

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2005年7月 1日 (金曜日)

IAC@福岡での特別講演会の紹介

56th IAC@福岡の2ndアナウンスメントが届きました(PDF版
プログラムを見て、面白そうなところを紹介します。NASA長官やホリエモンを呼ぶ企画は、「交渉中」という段階でボスから聞いていましたが、確定したようです。

Plenary Events (お昼)

10月17日 Visions and Plans: The Next 20 Years in Using and Exploring Space
NASA Griffin長官,JAXA立川理事長はじめ、露・欧・中・加・印の宇宙機関のVIPを集めて将来ビジョンを語ってもらう。

10月18日 Birth of the Personal Spaceflight Revolution
民間宇宙飛行について。XプライズのDiamandis氏,日本で宇宙旅行研究といえば麻布大学のP.Q. Collins教授,そしてライブドアの堀江貴文社長、など。

10月18日 New Era of Robotic and Human Space Exploration
月と火星の、ロボット探査・有人探査について、各国宇宙機関がプランを語る。

10月19日 Space Systems Dedicated to Protecting Our Planet and Its Inhabitants
昨年のインド洋津波のような地球規模の災害に対し、宇宙からの観測システムを考える。

10月19日 Commercial Space Business and the Global Earth Observation System of Systems (GEOSS)
商業的地球観測について。

10月20日 Saturn Revisited and Titan Unveiled
土星とタイタンの探査報告。

10月20日 A New Era in Small Body Exploration - Findings and Future
小天体探査について。「はやぶさ」が順調なら運用室からのライブ・ビデオが映されるらしい。どうよ?>じんじん

10月21日 Space: The Hardest Part is Getting There!
宇宙輸送システムについて。

10月21日 Small Satellite Projects for Space Education
キューブサットなど、超小型衛星について。

Highlight Lectures (夕方:これは一般市民に公開)

10月17日 The new Face of Mars
ESAとNASAの火星探査について。

10月18日 The Space Elevator and the Changing Future of Space Exploration
軌道エレベータの可能性について。

10月19日 Earth Observation from Space Assisting in the Protection of UNESCO, World Heritage Sites
宇宙からの観測によるUNESCO世界遺産の保護。

自分としては、民間宇宙飛行,はやぶさ,軌道エレベータ、あたりに興味があるけど、会期中は受付業務に拘束されそうで、どこまで自由に聴講できるか不明。

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