Deep Impact, Armageddon and Meteor
Deep Impactミッション、研究室で学生たちと NASA TV のストリーミング放送で見ていました。
衝突予定時刻を少し過ぎてしばらくの間、変化のない彗星のアップが映し出され、管制室のスタッフたちが神妙な顔をしていたので、「もしかして外した?それともあの中央に写っているクレーター、あれだけ?大して飛び散らずにめり込んだ?」などと想像を巡らしました。(言い訳:英語のアナウンスがノイズ交じりで、何の画像なのか聞き取れなくて。)それは、子機が衝突の直前に撮影した画像でした。
しばらく後、突然に管制室は大歓声。どうやら成功を示す何かが見えているのだろうけれど、カメラは、はしゃぐ人間ばかり追いかけている。一人だけ持ち場を離れずコンソールを睨んでいる爺ちゃんがいたな。
はやく画像を見せろー。
スタッフの狂乱が一心地ついたころ、ようやくカメラは、あの決定的画像がプロジェクターで映し出されているスクリーンを見せてくれました。
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さて、ちょっと思ったこと。このミッションを見た学生は、映画「アルマゲドン」や「ディープ・インパクト」を引き合いに出します。私が思い起こしたのは、もっと古い映画「メテオ(原題:Meteor)」。1979年の作品ですから今の学生が生まれる前です。しかも映画評を見ると、大物俳優を起用した割に失敗作だったようで、Amazon.comにはありましたが、Amazon.co.jpには無いくらい、マイナー作品です。学生たちが知らないはずです。私はたしか中学生くらいの頃(1980年代前半)にTVの○曜ロードショーで見ました。それっきりなので、話の細部は忘れました。
この3作品、危機の設定はいっしょです。アルマゲドンもディープ・インパクトも、有人の宇宙船で彗星に核爆弾を設置しに行きますが、メテオでは核ミサイルによる遠隔攻撃です。世相を反映していると思うのが、当時はシャトルが就航前だったことと、冷戦下だったこと。米ソとも秘密裏に軌道上に配備していた核ミサイルを、人類の非常事態なのでお互いに存在を公開し(そこでひと悶着)、同時に発射(ここでも悶着)して隕石を迎撃します。どちらかというと、この機に乗じて相手国を出し抜こうとする政治家や軍人と、科学者や善玉政治家の駆け引きが主体の映画だったようです。1970年代にはリアリティが感じられるストーリーでしょう。
現在でもなお、彗星/小惑星への有人飛行よりは、無人核ミサイルのほうが現実味がありますから、スペースガードの問題で必ず候補に挙がる迎撃法です。今回の、Deep Impactミッションの成功で、人類は彗星を攻撃(?)することも可能であることが実証されたと言えましょう。
次は「はやぶさ」ですね。Deep Impactが砲撃なら、はやぶさは銃撃。拳銃くらいの3発だっけ?
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