2nd Impact, 3rd Impact
歌島さんの記事で、新たにデブリ同士の衝突が確認されたとのニュースを知りました。これはデブリ屋にとっては大ニュース。もと記事(Orbital Debris Quarterly News)を読んでみると、
- 1974年に打ち上げられたアメリカのロケット上段と、1999年に打ち上げられ2000年に爆発した中国のロケットの破片が、2005年1月17日に南極上空で衝突。
- 1988年に打ち上げられたソ連のCosmos1934に、Cosmos926の破片が、1991年12月末に衝突していたのがわかった。
いままで唯一観測された衝突だった、1996年の仏CERISEとArianeロケットの衝突に加え、合計3例となりました。確率・統計の理論的には、ある確率現象の観測回数がN回なら標準偏差は√Nだから、いままでは「宇宙開発史上1±1回」という精度でしか言えなかったものが、「3.0±1.7回」と向上したことになります。
北極・南極上空での衛星の運動を見てみると、極軌道の物体が四方八方から集まってきてはすれ違い、まるでスクランブル交差点のような状態です。実際、今回の南極上空の事故が、極軌道同士でした。試しに、高度900kmでの緯度別の衝突率を計算してみて、レーダー図にしてみました。緯度±80度付近に大きなピーク、赤道上に小さなピークが見られます。
計算条件
- MASTER-2001のStandardモード
- 2005年1月1日~2006年1月1日
- デブリの大きさは1mm~100mまでカウント
- 高度900km,軌道傾斜90度の仮想衛星に対するデブリ・フラックスを計算
- それを昇交点からの角度に対して極座標プロット
- 軸の単位は 衝突数/m2/年
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