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2005年3月の12件の記事

2005年3月28日 (月曜日)

「キューブサット物語」購入

川島さんの新作、3月23日発売。本日午後から九大生協にも入荷し、平積みになっていました。

表紙が「上がれ!空き缶衛星」より一見地味ですが、ぜひカバーをめくってみてください。中の表紙に原寸大のキューブサットの設計図が描いてあります。ほんとうに小さい!この絵はメカ好きのハートに刺さりますよ。
私はキューブサットにはかかわっていなかったけれども、その発起のとき(USSS1999@ハワイ・カウアイ島)に同席し、それから毎年のUSSSや学会などで進捗状況を聞くにつけ期待をふくらませ、打ち上がるのを楽しみに待っていた観客のひとりでした。「物語」の登場人物も、初期のUSSSで見覚えのある学生たちが多く、親近感がもてます。今回の本は、前作の「上がれ!空き缶衛星」より、写真をふんだんに使っているとのことで、彼らの顔をみると、

  • 黄色のスクールバスで観光したUSSS1999のワイメア渓谷。
  • 寒かったUSSS2000のキラウエア火山ツアーで、雨のなか半袖のアロハシャツで震えていた東工大の学生たち。
  • 9.11事件の直後で、怪しげに見える装置の持ち込みを自粛し、紙工作のモックアップなど苦肉の策で臨んだUSSS2001。
  • 中須賀研の宴会芸の「液体燃料ロケット」
  • 宇宙科学連合講演会が福岡であったときに、集まって飲んだこと。
などなど、懐かしく思い出されます。

明日、航空宇宙学会西部支部の総会で宮崎市へ出張なので、道中で読もうと思います。

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参考リンク

著者:川島さん 川島レイのレイランド「キューブサット物語発刊!」
編集:manpukuyaさん まんぷく::日記「『キューブサット物語~超小型手作り衛星、宇宙へ』の発売は3月23日 」
東大・中須賀研究室のキューブサットのページ
東工大・松永研究室のキューブサットのページ

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2005年3月21日 (月曜日)

あっ、KBCタワーが曲がっている!

20050321KBC1震度6弱を記録した、福岡市中央区にそびえる、KBC(九州朝日放送)の放送塔。
今朝、気がついたのですが、先端が曲がっていました。

20050321KBC2先端の拡大

・・・ユリ・ゲラー?

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2005年3月20日 (日曜日)

地震:無事です

とりあえず報告、けがもなく無事です。
現在、NTTの電話が通じにくいようなので、ここで無事をお知らせしておきます。
Yahoo!BBの回線は問題ないようで、ネットもBBフォンも使えます。

【被害状況報告】
うちのあたりの震度は「6弱」だったとのこと。自宅にいるときに地震が来て、家の中のものが結構落ちました。ひととおり片付けおわったところ。

  • 落下で破損→廃棄したもの
    • 素焼きの紅茶のビン
    • 目覚まし時計
    • 掛け時計
    • フォトフレームのガラス(あとでアクリルでもはめよう)
    • 料理油のビン(プラスチックの蓋が割れて・・・)
  • 破損→修理したもの
    • 置物のガラスのペンギンのくちばし
    • フィンランド航空DC-10ムーミン号の模型の第2エンジン
  • 汚損したもの
    • お華の水盤の水が、横揺れの勢いであふれ、床とホットカーペットが水浸し。
    • それで未現像のフィルムが濡れ、現像してみたら一部のコマで、心霊写真のような謎の光や色むらが写っていた。
    • USSSで行ったハワイ土産のマカダミアナッツオイルのビンが落下し、ビンは割れなかったけど蓋が割れて、半分くらい(200ml?)残っていた油がすっかり流れ出して、キッチンの床が油浸し。一緒に落下した料理の本の数冊のうち2冊がそこに落ち、廃棄の憂き目に。
    • 室内の鉢植えが何個か、落下または転倒。カーペットが土まみれ。比較的乾いていたので、掃除機で吸った。

手分けして片付けましたが、私は油の処理にてこずっていて、水や土のほうの処理はすべて妻にやってもらいました。


20050320earthquake2「天井陥没」

本棚の転倒防止のつっぱり棒が、天井にめり込んだ痕。まだ余震があるので、場所をずらして付け直したところ。
この棒がちゃんと働いていた証で、付けていなかったら本棚が倒れていたかもしれません。

20050320earthquake1「ジレンマ」

食器棚も、転倒防止のつっぱり棒をしていたので、倒れませんでしたが、こんなことに・・・(笑)。
食器棚の扉を開けると、中で倒れているものが落ちそう。この写真の食器棚は両面開きタイプなので、裏の扉から手を伸ばして救出しました。写真を撮りませんでしたが、もう一つの普通の棚でも同じような状況で、どうしようもなくて一か八かで開けて取りました。

福岡は地震が滅多に無い土地なので、みな慢心していて地震対策の意識が貧弱です。私も地震の多い関東からここにきて8年、棚の上に割れ物を置くなんて、だいぶ油断していました。それにしても、関東に居たころをふくめても、震度5以上は初めて体験しました。

いまごろ職場がどうなっているか、見るのが怖いな。棚の上に積んでいる古いパソコンとかCRTが落ちていたら大変だ。(→追記:無事でした。)

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車が軟禁中

ちょうど今朝、初6ヶ月点検に近所のホンダに車を預けてきたところで、お昼には終わる予定でしたが、やはりお昼過ぎにホンダから電話があり、店内でかなり被害が出ているとのこと。とくに、エレベーターが止まっていて、車を出し入れできないので、早くても明日の引渡しになるとのこと。
というわけで、今日はお出かけもできないので、部屋の片付けをしていました。きっと出かけても、あらかた臨時休業でしょうし。
そして、TVで地震のニュースを見ていたら、「市内各地の様子」の1カットに、そのホンダの営業所も出て、まさに私の担当者さんが、インタビューに応えて店内の被害をコメントしていました。
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予定より早く、夕方にはエレベータが直ったそうで、受け取りに行ってきました。地震のとき、私の車は2階の工場で作業中で被害は免れましたが、上の階ほど揺れが大きく、3階と4階の車庫ではかなりの車が損傷したそうです。なかでも1台、2段式駐車装置の上段から前のめりに落ちたそうで、前部がぐちゃぐちゃに潰れているのが店外に運ばれて置いてありました。担当者さんの自家用車も、リフトの柱にぶつかって側面がへこんでしまったとのこと。その状況を聞くと、私の車は運がよかったようです。車が戻ったので、明日は研究室の被害の確認と片づけに行こう。

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2005年3月17日 (木曜日)

H-IIA 7号機打ち上げ観望 道中記 (後編)

(前編はこちら)

【分かれ道】
鹿屋を過ぎると大隅半島は南西に向かって伸びています。鹿児島湾側の海岸線も南南西むきで、海岸線の近くまで山地が迫っていて、南東の見晴らしが悪い。こんなところを走っている最中に打ち上げられてしまったら元も子もありません。このへんまでくると大隅半島もだいぶ細くなってくるので、半島を横断できる道があるところで東海岸へ出てしまえば、佐多岬のほんとうの先端にこだわらずともよいです。南にある種子島から東へロケットが飛ぶのに対し、半島の先端は南西へ延びているので距離はそれほど縮まるわけでもないから。
この先、半島の東へ抜ける道への分岐点は、大根占町と佐多町の2箇所、佐多岬の先端まで行けた場合も数えて選択肢は3つ。打ち上げ時刻と車の進行速度を見積もって、正確な判断と、ナビゲーター(妻)との連携プレーが求められるところ。(妻は地図が読める女です。)
17時半ごろ、大根占の分かれ道の手前で再び携帯で宇宙作家クラブの掲示板で最新情報をチェック。投稿No.843の松浦さんの記事で「午後6時25分打ち上げで作業再開」と知る。ここはまだ直進してよさそうだ。

【ネッピーの里・根占町】
根占町に入るころには、あたりが薄暗くなってきました。西の方には、鹿児島湾ごしに薩摩半島先端の開聞岳(薩摩富士)が美しいシルエットを見せています。
根占の市街地に入ると、いたる所に町のキャラクターらしい、龍のような「ネッピー」が描かれています。池田湖のイッシーの仲間かと想像し、

「ネッピーってこの川に出る怪物かな。日本人ってば、ネス湖(Loch Ness)のネッシー(Nessie)にあやかって、湖の怪物をなんでも○○シーにしちゃうけどさ、あれは語尾の S を伸ばしたからで、屈斜路湖のクッシーまではわかるよ、池田湖ならイッシーよりイッキー(Ikkey/Ikkie)にすべきだったんじゃない? で、ネッピーのピーて何だよ?」
などと茶々を入れながら通過する。(あとでネッピーに詫びる)

【佐多町】
九州本土南端の佐多町に入る。漁村らしいたたずまい。
18時頃、最後の分かれ道。直進して佐多岬の先端へ行くには時間が足りなそうです。そのうえ本当に本当の先端は有料道路で、17時までしか入れないようだから、先端にこだわることもなく、ここで山を越えて、東海岸に出ることにしました。もし海岸線までたどり着けなくても、途中の峠さえ越えて見晴らしの良い場所を探せば十分見えるでしょうから。
ヘアピンの山道を走ること15分、山を越え東海岸の小さな平地に出ました。水田地帯らしいところを直線に突っ切る道を走り、ようやく海岸線に出ました。そこから道は海岸沿いとなり、地図によるともうすぐ行き止まりというところで、ちょうど良い駐車場を見つけて停めました。このとき18時23分、打ち上げ2分前!!
20050317map

【打ち上げ&撮影裏話】
2月28日掲載の動画と、3月9日掲載の静止画をご参照ください)

三脚にビデオカメラをセットして、だいたいの方角に向けて録画を始め、水平線に目を凝らす。先に見つけたのは妻、「あ、あれじゃない?」水平線で一瞬オレンジ色の点が輝く。そちらへカメラを向ける。数秒後もう一度、短時間光って消える。公開したムービーに写っているのはこの2度目の閃光から。種子島上空の雲のせいで見え隠れしているらしい。やがて雲を抜けて、それからはロケットの光が上昇してゆくのがきれいに見えました。地上の近くはもう日が沈んでいるので、はじめのうち噴煙は灰色でよく見えません。上昇に伴い、夕日を浴びる高度では噴煙がオレンジ色に染まり、それより上では白色になり、美しい虹色のような噴煙が見られました。
さて、私はビデオカメラを初めのフレーミングのまま放置して、あとは肉眼で堪能しつつ、フィルムカメラでも撮影していました。公開したムービーの第1カットでロケットが上から出ていってしまっているのはそのせいです。妻がそれに気が付いて、追跡しながら後半のムービーを撮影してくれました。ムービーのテロップや(C)表記は私の名前で公開していますが、ブースターの分離のあたりの感動的なシーンを撮影したのは彼女です。

もし75km先からでも音が聞こえるなら、単純に音速340m/sで概算すると、3分40秒後のはずです。・・・その時間に耳をすましてみましたが、波の音もあり、よくわかりませんでした。

後でほかの人の話を読むと、鹿児島からもフェアリング分離や1・2段分離まで見えたそうなのですが、その前に肉眼でほとんど見えなくなったあたりで撮影をやめ、しかも寒いので車に戻り、18時40分ごろ帰路につきました。(これで妻に風邪をひかせてしまいました)

【ネッピー館に救われる】
来た道を戻りながら「泊まるところどうしよう?」…無計画。
17時打ち上げのつもりで、それから引き返すことを考えていたので、リストアップしておいたホテルは、垂水や桜島のあたり。いまからそこまで戻ると21時頃になり、食事に困ることが予想されます。一応、メモしてきたホテルに電話してみようと思いましたが、携帯が圏外で使えませんでした。佐多町の中心地を通るときに、旅館を見かけましたが、外から見て営業しているんだかどうか怪しい感じ。それに小さい旅館や民宿だと、飛び込みで泊まったとして、料理の準備ができない可能性も心配でした。
19時30分ごろ、道の駅根占にたどり着き、メモしてきた垂水のホテルに電話してみるとなんと満室、がーん! そこで、妻と手分けして、道の駅に置いてある観光パンフレットで宿泊施設を探し、ねじめ温泉・ネッピー館に電話して、宿泊も食事もOKとわかりました。ネッピー館へ向かう道々「ネッピーありがとう。さっきは名前をからかってごめんね。」と二人で反省。
それから10分ほどでネッピー館に到着、チェックイン。町営の大きな温泉保養施設で、なかなか新しくてきれい。26日は「フロの日」で何かあるらしく、地元の方もたくさん入浴に訪れて賑わっていました。宿泊客は少ないようでした。宿泊は洋室のツイン、かなり広くてきれい、そして安価。「やっぱり、ネッピーごめんよ。バカにして俺(私)が悪かったよ。」
食事は、宿泊とセットの料理は予約しないと準備できないとのことですが、付属のレストランで定食の注文ならできました。ブリのあら炊き定食と、薩摩黒豚とんかつ定食をたのんで、二人で半分こずつしました。
その夜のニュースをTVで見て、MTSAT-1Rが無事にGTOに投入されたことを知りました。

(完)

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2005年3月16日 (水曜日)

H-IIA 7号機打ち上げ観望 道中記 (前編)

だいぶ間を空けてしまいましたが、佐多岬まで見に行った道中記を書きます。

【準備】
2月26日、土曜日の朝。特に早起きでもなく普通に起きて、H-IIA関連ニュースと天気をチェックする。打ち上げ準備は順調に進行中の模様。種子島は曇りだが、佐多岬は晴れの予報で、レーダー画像によると種子島との間の洋上にも雲はなし。よし、見に行こう!状況を見て当日に出発できるのは九州在住ならでは。2月8日の記事で「『延期されたら見に行けるのに』と学生が願っている」というようなことを書いていて、実は土曜に延期されて喜んで居るのは自分のほうでしたね。
さて準備。途中で情報をチェックできるよう、携帯から見られそうなウェブサイトをいくつか登録しておく(これが後で役に立つ)。あとは遠足気分で、おやつや、一泊分の着替えを荷造り。ロケットを見た後、どこまで戻るか分からないので、宿はいくつかリストアップしただけで予約せず。(これが後で祟る)

【出発】
のんびり準備していたら、出発はお昼近く11時になってしまいました。当初、鹿児島まで高速道路で4時間、その先は下道を2時間くらいと見積もっていました。そうすると17時09分の予定の打ち上げにはぎりぎり、のつもり。(実は甘かった。大隅半島は長い。)
出発時、福岡は雪でした。福岡都市高速は降雪に弱いので心配でしたが、幸い通行止めにはならず、太宰府ICまで行け、九州道に入れました。筑後平野まで南下したら、雪が止んで良い天気になりました。

【アクシデント×2】
熊本あたりを走行中、微妙に車が左右に振られるような感触に気がつきました。はじめは、横風が強いのでそのせいかとも思いましたが、無風時にも異常を感じるので、次の宮原SAに入り、タイヤを見てみると、左後輪に針金(段ボール箱の底を留める銅のステープルらしい)が刺さって空気圧が下がりはじめていました。このまま走っていたらバーストしていたかも。あとでSA内のSSで修理してもらうことにして、とりあえず昼食。熊本ラーメンを食べました。
そこで昼食中に追い打ちをかけるように交通情報に臨時ニュースが!「トンネル内でトラックが横転して火災が発生。この先、八代IC~人吉ICまで通行止め。」ありゃりゃ、こりゃさらに時間がかかるなぁ。
さて、食べ終えてSSへ行き、パンク修理を頼む。しかし、刺さっているのがタイヤの側面で、「そこは薄いので基本的に修理対象外。とりあえずスペアタイヤに換えて、この先IC降りてすぐにオートバックスがあるから、そこで新しいタイヤを購入されることを勧めます。」とのこと。他に選択肢がなさそうなので、スペアタイヤに交換しようと準備を始めたところ、ベテランのスタッフが出てきて、「出来るだけ修理してみましょう。しばらく様子見ながら走ってもらって、漏れているようだったら交換して下さい。」ということで、パンク修理剤(?)を傷口に注入して修理くれました。空気を注入してみてとりあえず問題なし。匠の技で応急修理に成功したようです。大丈夫そうなので出発。ここで午後13時。
(妻のコメント:ドライバーを見て対応を変えたのかも。私が、車の異常に早く気が付いてピットインしたことから、「様子をみながら走る」ことができると判断されたのではないか?)

【風光明媚な回り道】
まずは八代ICで降りる渋滞、これに30分くらいかかりました。
それから人吉まで高速なら40kmのところ、下道で50か60km、急流下りや鮎釣りで有名な球磨川に沿った道を、一緒に迂回させられた車と隊列を組んでぞろぞろと走ります。景色がよいところなので、せっかくだからこれも観光と思うことにしよう。信号が少ないので、意外と平均速度は出ていて、1時間強で人吉に着き、九州道に復帰。

【鹿児島】
後方が通行止めのままなので、人吉から先の九州道は車も少なくすいすい走りました。えびのJCTで鹿児島方面へ、ついで加治木JCTから隼人道路→東九州道に入り、大隅半島方面へ向かいます。15時頃、東九州道の国分ICで降りて、ここからは一般道で大隅半島を南下です。打ち上げ予定時刻まであと2時間、どこまで行けるか。すでに、目標の佐多岬までは到底たどり着けないことを確信していました。途中の桜島か垂水あたりで見晴らしの良いところを探して見るつもり。
時間が気になることを除けば、海岸沿いの国道のドライブは、雄大な桜島と美しい鹿児島湾(錦江湾)の風景を眺めながら、とても楽しいものでした。

桜島周辺の参考地図

【延期】
16時半ごろ、垂水市の手前あたりだったろうか。ラジオのニュースで、「地上の通信系のトラブルで打ち上げを見合わせている」と知る。私の呪い不謹慎な願い(笑)が通じたか。
携帯(au)でWWWにアクセスし詳細ニュースをチェックする。早く的確な情報を流してくれて、一番役に立ったのが、宇宙作家クラブニュース掲示板でした。投稿No.842の松浦さんの記事で、「午後4時30分現在・・・Xマイナス60分でホールド・・・」つまり早くても17:30だ。もっと南下できそうだ。
鹿屋市のあたりで、当初の打ち上げ予定時刻の直前となる17時のニュースをラジオで聞きました。30分前のラジオニュースから新しい情報は無く、宇宙作家クラブのほうがずっと早くて詳しい。一部ラジオ局は情報が遅れているらしく、まだ「午後5分9に打ち上げの予定です」と言っていました。


(つづく)

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2005年3月15日 (火曜日)

UFJ装うフィッシング詐欺メールが来た

日本語のは久しぶり。こんどは正しい日本語だ。(参考「けだもの強制」)
注意を喚起するため、文面を紹介します。

From: "Verify" <admin@ufjbank.co.jp>
Subject: UFJ
UFJ銀行ご利用のお客様へ

UFJ銀行のご利用ありがとうございます。
このお知らせは、UFJ銀行をご利用のお客様に発送しております。

この度、UFJ銀行のセキュリティーの向上に伴いまして、
オンライン上でのご本人確認が必要となります。

この手続きを怠ると今後のオンライン上での操作に支障をきたす恐れがありますので、一刻も素早いお手続きをお願いします。

https://www.ufjbank.co.jp/ib/login/index.html

また、今回のアップデートには多数のお客様からのアクセスが予想されサーバーに負荷がかかるため、下記のミラーサイトを用意しております。上記のリンクが一時期不可能になっている場合は、
下記をご利用ください。

https://www.ufjbank.co.jp/ib/login/index2.html

https://www.ufjbank.co.jp/ib/login/index3.html

お客様のご協力とご理解をお願いいたします。

UFJ銀行


(この引用中の青字アンダーラインはフェイクです)

しかし、一見UFJへのリンクに見える部分のHTMLソースを見ると

<a href="http://(ここに数字でIPアドレス)/ib/login/index.htm">
https://www.ufjbank.co.jp/ib/login/index.html</a>

のように、別のサイトに行くよう細工してありあます。くわばらくわばら。

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追記

UFJ銀行のウェブでも本日付けで
「UFJ銀行を偽装した電子メール詐欺が発生していますのでご注意ください」
というお知らせがでていました。

数字で書いてあるIPアドレスを調査してみたら、第1サイトの行き先はパラグアイのドメイン(***.wireless.com.py)、ミラーと言っている第2サイトはポーランド(***.internetdsl.tpnet.pl)、3番目はわかりませんでした。

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文面への茶々と、本物(仮にあるなら)にくらべて不備な点。

  • 一方的に顧客に迷惑をかけておきながらまるで謝る姿勢がない。
  • この件についての問合せ先も書いていない。
  • 「オンライン上」は言葉がおかしい。"on online" かい?
  • 「ミラーサイト」として表示されている3つのURLはファイル名が違うだけでホスト名が一緒。それじゃあ負荷を分散できなかろう。実際のフィッシング用リンク先は確かにミラーサイトだけどね。

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3月16日 追記

結構、大々的に送信されていたようで、ニュースでも大きく採り上げられていました。ところで、某IT系ニュースサイトでは、パラグアイであるはずの第1のサイトのドメインを、「ウルグアイ」と伝えていました。伝聞の過程で変化したかな。(ウルグアイ/パラグアイは、イラン/イラクやアルジェリア/ナイジェリアに匹敵する、世界地理学習の難所ですからね)
ちなみに、私が特定できなかった第3のサイトは韓国だったらしい。

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2005年3月14日 (月曜日)

Yahoo!オークションに日本の宇宙開発の歴史的生写真が!

Yahoo!オークションに日本の宇宙開発の黎明期の、貴重な生写真のアルバムが出品されています。「博物館関係・放送局関係の方歓迎」とのことです。出品者は長崎のかたみたいですね。3月18日終了予定。

MEFのメーリングリストからの情報です。とりあえずお知らせまで。

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2005年3月 9日 (水曜日)

書籍紹介「轟きは夢をのせて」

的川先生の新作。

大学の生協で平積みになっていたので、さっそく買いました。つづけて研究室の学生たちも何人か買いました。・・・組織票。

帯のコメンテーターが、「土よう塾」で共演している中山エミリさん。宇宙関係の本としては異色だけれども、書店でお客さんの目を惹きつけるには良いかも。さすが人脈の的川先生。これからは理系図書もこのくらい垢抜けなきゃ。

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H-IIA打上の写真

フィルムカメラで撮った分の写真ができましたので、スキャンしたものを公開します。

フォトアルバム
H2A_album
【機材】
Nikon FA
Ai Nikkor 50mm F1.8S
Ai Nikkor ED 180mm F2.8S
FUJI SUPERIA400

望遠で撮ったものは、少し手ぶれしてます。

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2005年3月 8日 (火曜日)

書籍紹介

3月7日、ISAS@相模原に行ってきました。
午前:宇宙エネルギーシンポジウム(聴講のみ)
午後:次期小天体探査ワーキンググループ

学生のときから、宇宙研生協の組合員に加入したままなので、この機会に組合員割引で以下の本を購入。(九大生協でも同じく1割引だけど、取り寄せ注文するのが面倒だったので。)

  

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2005年3月 4日 (金曜日)

ロケット観望シミュレーション

というわけで、ロケット打上の見え方を計算するExcel書類を作ってみました。
「Tracking.xls」をダウンロード
観測地の緯度と経度を入力すれば、任意の地点からの見え方をプロットできます。計算にあたって、機体の緯度・経度・高度の3次元情報が欲しいのですが、あいにく今回の7号機で十分な情報は見つけられませんでした。代わりに、似た経路で打ち上げた3号機のデータを入れてみました。参考程度にはなるでしょう。
鹿児島、大阪、東京の計算結果をお見せします。途中の曲線がいびつなのはデータ点が少ないためです。ほんとうはもっと滑らかになります。また、グラフの縦横の縮尺は自動にしていて、横の方が縮められています。実際の見た目の形状はもっと横長になります。
オレンジの線がブースター燃焼中。炎は明るく、白煙が残ります。
太い白線がその後の第1段の燃焼中。排気は透明に近く、彗星のように見えます。
細い白線が2段目の飛行。自分で見ていないのですが、たぶん暗いでしょう。

20050304tracking_kagoshima

20050304tracking_osaka

20050304tracking_tokyo

図中の用語の説明
SRB:固体ロケットブースター(大きい方)
MECO:第1段主エンジン停止(1段目分離はこの直後)
SECO1:第2段エンジン1回目停止
方位角:東が90度、南が180度、西が270度
仰角:水平線が0度、真上が90度、マイナスは水平線下で見えません。


3号機と7号機の主な違いについて、以下に留意してご覧下さい。
(1)打ち上げた方位が、3号機は方位角90度(真東)、7号機は102度(やや南)なので、3号機の方が若干本土の近くを飛行し、見やすくなっている。
(2)3号機は固体補助ロケット(SSB)が4本で、7号機は2本。
(3)SRBの分離が3号機の方がだいぶ早い。
(4)3号機は衛星2基搭載で、上部フェアリングと下部フェアリングがある。図中「フェアリング」と書いたのは上部フェアリングのほうで、このタイミングは7号機のフェアリング分離とだいたい同じ。


【技術的解説】
3号機の「追跡管制計画書」には、各イベント時の飛行距離と高度の表があります。このデータをもとに以下の仮定をして、球面三角法で緯度・経度に換算します。
 仮定1:打ち上げた方位から変針しない→軌道面内のみの運動とする
 仮定2:打上直後の短時間に限る→地球の自転は無視
 仮定3:地球は完全な球体モデルで偏平性は無視
 仮定4:データが少ない区間は直線で補間
それから、観測地の局所水平面を基準にした[東,北,上]のデカルト座標での相対位置に変換。最後に、相対位置座標値から、方位角・仰角を決定してプロット。方位角の0度と360度をまたぐ場合の処理は省略しているので、飛行経路の南側(小笠原など)から見ると変になります。

飛行データのシートを更新すれば、他の打上にも使えるので、今後のロケット見物の支援用にもいかが?
距離・高度を3号機のデータのままでも、打上方位を102度にすれば、7号機に近くなるでしょう。南に向けて打てばALOSやIGSに近くなるでしょう。

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2005年3月 2日 (水曜日)

H-IIAの飛行はどこまで見られたか

各地で「H-IIAの飛行を見た」という記事がありますので、西から東へ並べてみます。

まず、九州南部では、上昇する様子とブースター分離が肉眼でよく見えたようで、写真を掲載したサイトを多く見つけました。
Ride&Dive「H2Aロケット」によると、鹿児島から双眼鏡で、第1段・第2段分離まで見えたそうです。私ももっとよく見ていればよかった。

高知:歯車屋さんの撮影した写真
メールをいただきました。ここでも、双眼鏡で1段・2段分離まで見えたそうです。

徳島:KAINANの星空「太平洋上空を推進するH2Aロケット7号機」
海南天文台のかたがビデオ撮影された動画があります。また、そのお知り合いが撮影された、飛行機から偶然見えたロケット雲の写真もきれい。

岡山:山陽新聞「H2A岡山でも見えた! 河原さん煙撮影」

兵庫:お姉ちゃんのは~とちょこ「関西からロケット観測!!」
フェアリング分離らしきものもみえたそうです。

大阪:Yahoo!掲示板-H2Aロケット「大阪からも見えたかも?」

アストロアーツ【投稿画像集】2005年2月26日 H-IIAロケット7号機打ち上げ成功
上記の地点のほか、長崎県諫早市、三重県松阪市からの写真があります。


知人からのメールによると、浜松でもそれらしき飛行物体が見えたとのことです。
相談をうけて、飛行経路図から計算してみました。ちょうど静岡の南方でMECO(第1段主エンジン停止)なので、その点を目印に計算してみると、浜松からの距離600km、地球の丸みも考慮して水平面からのみかけの高度は約190km、すると仰角18度くらいのところを0.5度/秒ほどの角速度で飛行するのが見えたはずです。

関東からも見られる計算なので、注意して見ていればみつけられそうですね。

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