デブリ飛来方向分布
先日のSPSシンポでの計算結果で、グラフ化が間に合わなくて出せなかった、デブリの飛来方向の3次元分布図です。
2次元の方位角分布までは、シンポジウムで発表したのだけれど、仰角も考慮して3次元の曲面で描いてみました。描いてみると、低軌道ではほとんど仰角がなく水平面に分布して、2次元図とあまり変わりありませんね。
図の座標の方向は、
上が天頂方向
右手前が衛星の進行方向
右奥が軌道の角速度ベクトル方向
です。
これは太陽同期の極軌道での飛来方向分布。
デブリがおもに水平方向前方から衝突します。これは対向する極軌道衛星との正面衝突を表していて、衝突速度は約15km/sになります。
これはSPS2000を想定した高度1100kmの赤道上円軌道での飛来方向分布。
ほとんどのデブリが北東と南東からやってきます。これはこの高度に多い極軌道衛星との衝突で、衝突速度は約10km/sになります。
これは静止軌道での飛来方向分布。
デブリは主に北北東・南南東からやってきます。仰角分布もあり、水平方向だけでなく、立体的な分布図になりました。
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コメント
今晩は.
このような形式のデブリ・データを定量的に示したものは(少なくとも私が知る限り)初めて見ました.大変意義ある研究だと思います.他の主要な軌道上でのデブリ衝突分布も作成しているのでしょうか?今後の成果を期待しております.
投稿: A-Cubed | 2004年9月26日 (日曜日) 01:09
GEOのグラフも追加してみました。
これは3Dにした甲斐がありました。
投稿: ごんざぶろう | 2004年9月27日 (月曜日) 00:51