i, ROBOT
映画「アイ,ロボット」が9月18日公開とのこと。そういえばフランスでは、7月に行ったときに公開間近だったらしく、町の至る所に巨大広告がありました。たまたまこの春に、原作の英語版を読んだところだったので、ちょっとコメント。
映画の方は、「原作にインスパイア」とのことで、とくにストーリーは踏襲していないようです。どうやらロボット集団が人間に反乱を起こす、アクション・サスペンスものらしい。
原作は1950年のアイザック・アシモフの名作 "i, ROBOT"(邦題「われはロボット」ハヤカワ文庫)。「ロボット3原則」をテーマにした短編集です。それぞれに問題行動を起こすロボットが登場して、かれらがロボット3原則をどのように遵守した結果、そういう行動に陥ったのかをつきとめ、そして人間がそれを逆手にとって事態を解決する過程がおもしろいです。ロボットと派手に戦うような場面はなかったはず。せいぜい問答したり取り押さえるくらい。
とくに私が考えさせられたのが"Evidence"という話。これは他の話と毛色が違い、ロボットらしいロボットは登場しない。
市長候補に「彼はロボットだ」という噂がたつ。とくに対立候補はその証拠をつかんでやろうと躍起になる。ロボット3原則を破れば人間だと証明されるわけだが、逆の証明は難しい。そのうえ彼は噂を気に留めていないし、「そんなことのために人を殴れない」と言う。
その後の展開は、ぜひ原作を読んでいただきたいので書きませんが、結びの場面で、全話を通して回想の語り部であるロボット心理学者のCalvin博士(おばあさん)がボソッと言う「私としては、いい政治をしてくれるなら、もし彼がロボットだったとしても投票するよ。ある意味、ロボット3原則はいい政治家の条件とも言えないだろうか。」(このせりふ、手元に本が無いので、記憶で意訳しています)
この点、ロボット3原則というだけでは、議論を単純化しているし、楽観的とも言えるが、確かにうなづかされる面もある。たとえばこんな感じになるのかな。
1条:人間に危害を加えない,危険に近づけない
→戦争,重税,恐怖政治などをしない。もちろん他国民も傷つけない。
2条:1条に反しない限り、命令に従う
→民意の尊重
3条:1条,2条に反しない限り自分を守る
→「政権を守る」か「自国を守る」かな
という平和な社会ができそうです、これが理想的に機能すれば・・・だけど。
うーむ、自衛隊も専守防衛と文民統制の理念を守っている限り、この原則ではOKになるのかな。
私が読んだ洋書(Amazon.co.jp)
英語学習者向けらしい。大学生くらいで楽に読めます。
この版では "Robbie","Escape!","The Evitable Conflict"という話が割愛されていました。
Amazon.comのほうでは、原書の第1話"Robbie"だけ試読できます。
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コメント
自衛隊も専守防衛と文民統制では一条が抜けているので人命尊重とは限りません。
投稿: おーの | 2004年8月25日 (水曜日) 01:40