測定誤差を教えるアプレット
自分が受け持っている「航空宇宙工学実験・ロケット推進力の測定」では、本題の推力測定にも増して、測定誤差の評価に時間を割いています。これは教養部~航空宇宙工学科のカリキュラム中で、他の実験科目では教わっていないと聞き、しかし全ての実験活動の基礎となるものなので、私の実験で重点を置くようにしました。極論すれば、この実験後、またロケット推力を測る機会のある学生はごく一部なので、それは忘れてしまってもいいから、誤差はちゃんと考えて実験して欲しい。そう願っています。しかし、教育課程の都合か、いまの学生は「標準偏差」や「分散」を教わっていない者も多く、そこまで遡って教えないといけないので思いのほか大変です。
さて、その補助教材として、ちょいと自作のJAVAアプレットを作りました。下記ページで公開していますので、興味のある方、操作してみてください。
「誤差の概念グラフ」のアプレット
もし、教育用に需要があればソース・プログラムごと提供できます。
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コメント
誤差評価なしに意味のある定量測定はありえないと思っていたのですが、工学部でも教えるとは限らないのですね。驚きです。
数値計算の信頼性を尋ねたら「倍精度です」と答える学生がいるのも、納得です。
投稿: おーの | 2004年5月 6日 (木曜日) 22:12
高校の「確率・統計」、私の世代でも選択科目ではありましたが、私の高校で理系志望者はほとんど履習していたと思います。それが今の学生に聞くと、確率と組み合わせをちょっとやる程度で、受験にあまり出ない「統計」の部分を省略しているようなのです。
大学では、1年生の物理学実験と化学実験で、誤差の扱いをみっちり教えられましたね。それが今、活かされています。
航空宇宙工学分野でも、現代制御理論では共分散行列が必要なはずなのだけれど、九大の航空ではどこまで教えているのやら。自分が九大出身者ではないので、学生に聞かないと分かりません。
投稿: ごんざぶろう | 2004年5月10日 (月曜日) 13:02
問答無用で共分散行列を使い、しらない奴は自力で勉強しておけ、というわけにもいかないのでしょうね。
そういう私は未だに「統計学入門」(松原望)を手放せません。
投稿: おーの | 2004年5月10日 (月曜日) 22:41