「プロジェクトX」からの返事
プロジェクトXへの投書に返事がきました。
お返事が遅くなりました。お問い合わせの件ですが、
宇宙飛行士の定義があります。
独立行政法人「宇宙航空研究開発機構(JAXA)」(前宇宙開発事業団)によると、「宇宙飛行士とは、選抜試験に合格し、宇宙飛行士としての訓練を経て認定を受けた者」 としています。
このことから宇宙航空研究開発機構は、秋山氏を「宇宙飛行士」と認めていません。位置づけは、「日本人で初めて宇宙に行った人」です。
上記の事情から、番組は、毛利氏を「日本人初の宇宙飛行士」と表現しました。
また番組では、宇宙飛行士の役割と定義を明示しました。
まあ、そんなところでしょう。番組としてはJAXAの定義に従った表現だとのこと。秋山氏のことを失念した訳ではなく、番組でも定義を明示したうえでの表現なら、先に私が書いた「ありがちなミス」は言い過ぎだったろう。
ところで、JAXAのスペース百科では秋山氏を「宇宙飛行士」と記載しています。JAXAでも「JAXA公認の宇宙飛行士」と「宇宙へ行った人の意味の、いわゆる宇宙飛行士」を、場合に応じて両方使っているわけです。今回のプロジェクトXは前者の立場です。
たしかに、過去の特殊な例をみると
(1)サウジアラビアの王子様
(2)上院議員
(3)大富豪の宇宙旅行
なども、どこまで「宇宙飛行士」と呼ぶべきか迷います。
(3)は「宇宙旅行者」かな。秋山氏は「宇宙特派員」という肩書きで呼ばれていましたね。
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4月21日 追記
昨夜の放送では、宇宙飛行士の定義について上記と同様のテロップが入りました。
WEBでの記載(「これまでの放送内容」のページに移動)にも、同様の断り書きが付け加えられました。
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コメント
こんにちは。NHKもまめですね。まぁ妥当な回答だと思います。
秋山さん自身も昨年の世界宇宙飛行士会議で「私はジャーナリストとして初めて宇宙に行った人間だ」と発言していました。
「世界初の宇宙ジャーナリスト」というのが秋山さんご自身が好んで用いる表現のようです。
私のWho's whoも注釈を加えなきゃ、ですね。
http://www.geocities.jp/astroalumni/5thstar/who.html#akiyama_toyohiro">http://www.geocities.jp/astroalumni/5thstar/who.html#akiyama_toyohiro
投稿: 5thstar管理人 | 2004年4月19日 (月曜日) 22:27
宇宙へ行くこと自体は仕事でなく報道を本務として宇宙へ行った点で、秋山氏の宇宙飛行は画期的だったと考えているので、秋山氏は宇宙飛行士ないという定義に賛成です。
私だけの感覚かもしれませんが、宇宙飛行士というとパイロットのような印象がして、操縦しない人(ミッションスペシャリスト、ペイロードスペシャリストでしたっけ)は別な呼称にした方がいいように感じます。宇宙作業者ではかっこよくないですが。
投稿: おーの | 2004年4月29日 (木曜日) 00:05
こんにちは。
私のブログ「なつかしい気持ち」にコメントして頂きありがとうございます。
私も、秋山氏をはじめTBSが築いた歴史の一つを何者かが抹消するのではないかという雰囲気を感じており、寂しい気持ちを持っていました。
特に、日本人初宇宙飛行士は毛利さんというような内容をNEWS23のなかで放送していたときには、TBSには誇りってものがないのかとがっかりさせられたものです。
この度は、同じような思いを持っている方がいることがわかり、とても嬉しい気持ちになりました。
私のブログも、ごんざぶろうさんのように、読みやすくスマートな内容にしていきたいものです。
投稿: コー | 2005年7月30日 (土曜日) 14:54
定義が「宇宙飛行士とは、選抜試験に合格し、宇宙飛行士としての訓練を経て認定を受けた者」
であれば、秋山さんは宇宙飛行士に該当します。
選抜試験はもちろん、1年半に渡る訓練、シミュレーション、船内の作業マニュアル学習などもこなされ、ソ連宇宙飛行士連盟が発行したライセンスも取得しています。これは同僚の菊池さんも同じで、ロシアに飛行計画があり、所定の訓練を受ければ飛行することができる「宇宙飛行有資格者」です。
投稿: こりん | 2005年8月 8日 (月曜日) 21:54
こりんさん
同感です。こんなところにも、日本のアメリカ第一主義が表れていると感じます。
おっしゃるように、菊池さんも忘れてはなりませんね。ふたりとも、由緒正しきコスモノートですもんね。
投稿: ごんざぶろう | 2005年8月12日 (金曜日) 10:22