オートマ
これは以前、他サイト(komori.biz)へ投稿したアーティクルです。
(あまり読まれなかったようなので、自サイトにて復刻)
オートマ2003年12月01日(月) 19:52
自動車の自動変速、"automatic transmission"の略称は、頭文字の"AT"もありますが、一般的には「オートマ」でしょう。これは色んな点で興味深い事例だと思うのです。
【考察1】変なところで切られている
自動車以外の分野の自動化では、「オート」で区切るものが多いと思います。曰く、オートフォーカス、オートパイロット、オートリバース等。しかしATのことを「オート」とは言わないし、逆に他分野の製品の自動化を「オートマ」と言っても変です。なぜ車に限って「オートマ」なのでしょう。
〔仮説1〕"auto"だけでも自動車を意味するので紛らわしい。→でもそれは英語での話しで、日本語ではそこまで影響力ないと思う。
〔仮説2〕「ロマン+チック」や「乙女+チック」の類推で、「オートマ+チック」という語感だった?→チックを除いた前半だけでは意味が通じないのに。
〔仮説3〕とにかく日本人はカタカナ語を4文字(あるいは4音節)に略したがるから。→その際、2単語のそれぞれの頭とって「オートラ」と呼んでも良かっただろうに。
【考察2】後半が略されて何が自動か分からない
自動化について、カメラの例と比較してみましょう。カメラはいろいろな機能が段階的に自動化されてきました。
自動露出:auto exposure (AE) (または電子露出の略でEE)
自動巻上:auto winding (AW)
自動焦点:auto focus (AF)
・・・さらに、自動フィルム装填、自動フラッシュなど
これら種類の違う自動化を区別するため、「オート○○」を呼び分けます。(ただし、単に「オート」と言った場合、今では全自動が普通ですが、私がカメラを始めた20年前には、AEを意味することが多かったです)
また、意図的にマニュアルモードに切り換えたりするので、AEに対してME、AFに対してMFという呼称もあります。
さて、車の話に戻ります。車でもATに対してMTと言います。これはカメラの例と同じ用法です。しかし「オートマ」は何が自動なのか分からない略語です。これで通用するのは、不思議と車には他に「オート○○」がないからでしょう。他にオート○○と命名してもよかったであろう機能は、パワーウィンドウ、ABS、などとと命名されました。今後、もしAT以外に"automatic ***"なる機能が付加されたらどうなるか、注目しておきましょう。----------
2003年12月03日(水) 19:05補足です。(こんなに書きましたが、私自身、とくに車マニアではありません)
自動車も、パソコンと同じくらい、独特の文化を形成していますよね。
とくに趣味的に熱中するひとに、若い人がおおいせいでしょうか。と言うわけで、車用語に関しても同様にウププの宝庫でしょう。
例えば、私のサイトでも採りあげている「パッシング」なども、元の英語のpassingとは意味がずれて使われています。自動車の部位を差すカタカナ語も、英語/米語とかなり違うんですよね。
ハンドル (steering) wheel
ドアの取手 handle
ボンネット hood(米)/bonnet(英)
トランク trunk(米)/boot(英)
パンク puncture/flat tire
ウィンカー blinker
クラクション horn----------
2003年12月03日(水) 19:05さらに思い出しました。
トランスミッションのことも、なぜか「ミッション」と変な略されますね。
missionなんて、まったく別の意味になってしまうのに。
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